2017年3月30日 第13号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市中心街で26日、差別反対を訴えていたデモ隊を右翼グループが威嚇、両者の衝突を避けるために警察が介入した。

 デモは3月21日の国際人種差別撤廃デーにあわせて行われ、黒人の命が大事(Black Lives Matter)、世俗主義および民主主義南アジアネットワーク(South Asian Network For Secularism and Democracy)、またバンクーバー・プライド・ソサエティなど、数々の差別反対団体が参加して行われていた。

 デモ主催者側によると、デモ隊が最終目的地(同市ヘイスティングス通りとキャンビー通りの交差点)の前、ビクトリー・スクエアに到着した時に、緊迫する状況となった。

 連邦議会議員のジェニー・クワンさんがスピーチしようとしたところに、右翼グループが紫色の発煙弾を投げ込み、デモ隊を威嚇し始めた。このグループは、白人至上主義(オルタナ右翼)のグループ、オーディンの兵士(Solder of Ordin)。人数は10人ほどだったという。

 オーディンの兵士は、2015年にフィンランドで結成された移民に反対するグループで、この日デモ隊を威嚇していたメンバーたちは、そのロゴが入ったフード付きジャケットを着ていた。

 警備に当たっていた警察は、この時点では静観していたものの、デモ隊が威嚇に対し叫びながら応酬しようとしたところで、両者の間に割り込み、事態の沈静化に動いた。

 デモ主催者は、この地における移民反対や差別主義の台頭に気をつけ、組織立ってこれに対抗する必要があると、取材に語っていた。またこれは新しい動きではなく、いったんは下火になっていたものが、トランプ大統領の出現によって勢いを盛り返してきたのだと指摘している。

 

 

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