2017年3月23日 第12号

 アルバータ州エドモントンの北、セント・アルバートに住むキャスリン・モローさんの愛犬が行方不明になったのは、2013年の大晦日の夜のことだった。

 グリフと名づけられたベルギー原産の小型種ブリュッセル・グリフォンは、モローさんの妹の愛犬ジェイ・ジェイ(フレンチブルドックとペキニーズブルドックの交配種)とともに姿を消し、モローさん姉妹は何者かに盗まれたのだろうと思っている。

 以来姉妹は愛犬を探し続けてきた。しかし、グリフには入れ墨もマイクロチップの埋め込みもしておらず、最近では愛犬との再会はかなわぬ夢なのかと思い始めていたと、取材に語っている。

 そんな状況が一転したのは、彼女の友人らが一枚の犬の写真の存在を知らせてきてからだった。

 その写真の犬は、エドモントンの動物シェルターに保護された犬のもので、外見がグリフにそっくりだった。この写真を見た瞬間から自制心を失っていたとモローさん。この犬がグリフかどうかを確かめるためにシェルターを訪れた時、グリフはひどく傷つき、栄養失調状態だった。

 グリフを保護したエドモントン市営の動物介護管理センターによると、この犬を持ち込んだ人物らは、犬の発見当時の状況や、自分たちの名前や連絡先の提供を拒んだという。

 モローさんの呼びかけにグリフが応えたこと、また、グリフの医療・歯科治療記録、そして警察への盗難届けをシェルターに提示することで、彼女は無事グリフを自宅に連れ帰ることができた。

 現在10歳になるグリフは、自宅で療養中だが、順調に回復しているという。家族はジェイ・ジェイもすぐに見つかることを期待している。奇跡はすぐ近くまで来ているかもしれない、私たちは決してあきらめないと、モローさんは取材に答えていた。

 

 

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