2017年2月23日 第8号

 バンクーバー市のレストランは、予約をしておきながら当日現れない、いわゆるノーショー(no show)の客の増加に頭を悩ませている。

 ブランドン・グロサッティさんが経営する同市イーストサイドにあるレストラン、ピジン(Pidgin)では、バレンタインデーは予約客で埋まるはずだったが、100件の予約のうち20件がノーショーだったという。

 ピジンではバレンタインデーのため、厳選された素材を用いた特別メニューを用意していた。通常のコース料理が55ドルのところを、この日は100ドルに設定していた。そのためノーショーによる損失は、単純計算で2000ドルになる。しかし、それに付随するアルコールの売り上げなども含めると、その額は3000ドル近くになるとグロサッティさん。さらに従業員も、その分のチップを受け損なったことになり、レストラン全体で大きな損害だと付け加えている。また、こうした特別なイベントのたびに20パーセントにのぼるノーショーが発生し続ければ、経済的にやっていけなくなるレストランも出てくるだろうと取材に語っている。

 しかし、この問題に対する有効な解決策はないと、BC州レストラン協会のイアン・トステンソンさん。法的規制も期待できないため、利用客への啓蒙から始めるしかないだろうとトステンソンさん。予約したものの、レストランに行けないことがわかった段階で電話を一本入れてくれれば、店側もその席を他の客のために使うなど対応が取れると、利用客のマナーを求めている。

 市内のレストランのいくつかではすでに、予約時にクレジットカードによる予約料を請求するようになっているが、これが全てを解決できるとはトステンソンさんは思っていない。ただ多くのレストランが参加するイベント、ダイン・アウト・バンクーバーなどは固定料金で特別メニューを提供するため、この場合は予約料を取るのも有効かも知れないと指摘している。このイベントは、ノーショーが多発することで、レストラン関係者の間では有名になっている。

 

 

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