2017年2月23日 第8号

 連邦政府ジェーン・フィルポット保健相は17日、ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンド市で同州政府テリー・レイク保健相と記者会見を開き、ヘルスケアで合意したと発表した。

 連邦政府からこの先10年間で、BC州のホームケアとメンタルヘルス対策に14億ドルが支援される。さらに、BC州で急増しているフェンタニルなどの合成オピオイド(合成麻酔薬)を含む違法薬物の過剰摂取による死亡事故対策として1千万ドルが支援される。これは連邦政府の薬物対策費6500万ドルの一部とフィルポット保健相は語った。

 BC州では先月だけで違法薬物過剰摂取による死亡者が116人にのぼり、昨年は914人が死亡している。死亡者は必ずしも薬物中毒者ではなく、特に若者の死亡が目立つ。緊急の対策が必要との意見で連邦とBC州政府が合意している。

 今回のBC州とのヘルスケア合意は、連邦政府から毎年州政府へ支援されるヘルスケア財源であり、特別財源ではない。ただ連邦政府はこの財源を、これまでの毎年6パーセント増額から3パーセントに、もしくは年間GDP(国内総生産)成長率のどちらか高い方に変更すると昨年発表し、各州が合意を拒んでいた。

 しかし、昨年12月にはニューブランズウィック、ノバスコシア、ニューファンドランド・ラブラドール州が合意。先月にはプリンスエドワード島、サスカチワン州、ヌナブト、ユーコン、ノースウエスト準州が合意に達した。

 この日のBC州の合意で、残りはオンタリオ、ケベック、マニトバ、アルバータの4州。いずれも、これ以上の支援を要求している。BC州は今年5月9日に州議会議員選挙が控えている。

 

 

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