2016年11月24日 第48号
路上生活者のために特別にデザインされたバックパックが、ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーとサレーで配布された。
アメリカではすでに3万5千人に配布された実績があるこのバックパック。サレーの自動車ディーラー、ウルフ・オートグループと共同で750個を配布したのは、アメリカ・イリノイ州シカゴにあるチャリティ団体シティパック。また、このバックパックの製造は、ハイキング用バックパックなどアウトドア用品を製造しているアメリカのメーカー、ハイシエラが行った。
バックパック本体には、通常のナイロン生地の5倍の強度を持つバリスティック・ナイロンを使用しており耐雨性もある。また就寝時などに腕や足首にベルクロテープで巻きつけておけるストラップが縫い付けてあり、これをはがす際の音が置き引きなどの警告になると、同団体の創始者ロン・カプランさんはバックパックの特徴を説明している。
また証明書などの貴重品を収納する防水パウチや、毛布や寝袋をバックパック下部に吊り下げるためのストラップを装備するほか、バックパックのポケットに収まるサイズのポンチョも付属している。
バンクーバーでの配布場所となったイーストサイドの慈善団体ユニオン・ゴスペル・ミッションで取材に応じた1人は、今までは身の回りの品々を持ち歩くのに簡単なエコバッグを使っていたが、このようなバックはとてもありがたいと、取材に答えていた。
カプランさんは、バックパック一個あたりのコストは明らかにしなかったほか、ウルフ・オートグループも寄付した額については触れなかった。
カプランさんはもともと音楽業界で働いてきたが、長距離自転車旅行の際に貴重品を収納できる防水パウチをデザインしたことから、こうしたバックパックのアイデアを思いついたという。
また彼はマウイでの自転車旅行の際に、ウルフ・オートグループの副社長マイク・ハッカードさんと出会った。その時、バンクーバーのホームレス状況を憂えていたハッカードさんが、カプランさんに対しバンクーバーでのバックパック配布のための資金提供を申し出てきたという。