カナダ銀行スティーブン・ポロズ総裁は9日、バンクーバーとトロントで高騰し続ける住宅価格について言及、このまま高騰し続けるという可能性は低いとの見方を示した。

 カナダ銀行が2年に一度発表する金融システム報告書が発表されたことに合わせての会見となったこの日、ポロズ総裁は、これから住宅を購入しようと考えているなら将来的にも現在のような価格上昇が続くということは考慮しない方がいいと語り、価格下落の可能性も大いにあるとの考えを示した。

 一方で原油価格下落による経済的影響を受けているアルバータ州などでは住宅価格が下落し、販売数も落ち込んでいると指摘。その他の都市では緩やかな上昇にとどまり、全国的にアンバランスな状態はふさわしくないとも語った。

 また、世帯当たりの負債率が高い水準にあることが金融システムに悪影響を及ぼすと今回も警鐘を鳴らしている。高い負債率の要因の一つが住宅価格高騰によるものであり、引き続き警戒が必要と語っている。

 ポロズ総裁の記者会見の前日には、ビル・モルノー財務相が両都市の住宅市場について言及。連邦政府もこの両都市の住宅市場についてさらなる調査が必要との認識を示し、価格上昇を食い止めるための方策が必要かどうか見極めると語った。「国民が住宅を購入できるようにしなくてはならない」と語ったが、何らかの方策を早急に実施するかどうかについては言及しなかった。ただ連邦政府が対応策を実施する場合は、調査に基づくものでなければならないと述べ、海外投資家による価格つり上げによるものなのか、人口増加などの自然現象による供給不足なのかなど原因を調べると語った。

 

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