新民主党(NDP)は4月10日にアルバータ州エドモントンで開催する党大会で、トム・マルケア党首の続投を承認するかどうかの投票を行う。

 党大会を前にマルケア党首は積極的に労働組合会合などに参加し演説しているが、現在のところ5つの労働組合から承認を得ている。しかしカナダ労働組合会議のハッサン・ユセフ会長からは、党首交代が必要との発言も飛び出している。

 NDPは2011年の総選挙で躍進し、野党第一党に躍り出る議席数を獲得した。当時のジャック・レイトン党首のカリスマ性と自由党の大敗で、オレンジ旋風を巻き起こした。しかしその後、レイトン党首が病気のため逝去、2012年にトム・マルケア氏が新党首に選ばれた。マルケア党首は野党第一党党首として国会でもその存在感を見せ、昨年の選挙戦では夏ごろまで支持率トップという快挙を実現していた。カナダ史上初のNDP政権誕生かとの声も上がった。

 しかし夏以降、支持率は急速に低下、結局10月の選挙結果で野党第2党に転落し、100以上あった議席も44に減少した。その時点で党首交代かともみられていたが、本人は続投を表明。今週の党大会で党員の承認を得られるか、注目されている。

 NDPは労働組合とのつながりが深く、カナダ労働組合会議の承認が得られない影響は大きいとみられているが、この日投票で党首交代が決定するかは微妙。数字的には50パーセントで承認が決まる。しかし、党員の心情として70パーセント以上であれば文句なしに承認ということになるだろうとある関係者は説明している。それ以下でも即交代というわけではないという。

 影響力の強い議員の中では、2012年の党首選で戦ったニッキー・アシュトン議員は党首交代が必要と公に不支持を表明しているが、ネイサン・カレン議員は賛成に回っている。

 

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