ジャスティン・トルドー首相は18日、7人を上院議員に任命したことを発表した。金メダル14個を獲得した元車いす陸上競技選手シャンタル・プチクレールさんや先住民族のレジデンシャル・スクール問題に尽力したマレー・シンクレアさん、フランス語新聞ラ・プレッセ論説員アンドレ・プラッテさんなどが選ばれた。

 自由党は選挙公約として上院改革を掲げていた。今回の任命では、オンタリオ州政府元新民主党(NDP)閣僚のフランシス・ランキンさんを選ぶなど、党の枠を超えた人選に改革の第一歩と説明していた。

 上院は2013年初めに発覚した議員の経費不正受給問題以来、改革か、撤廃か、現状維持かなどさまざまな議論が飛び交っている。最後に上院議員が任命されたのは、問題が過熱していた2013年3月、スティーブン・ハーパー元首相の保守党政権時代。今回は3年ぶりの任命となった。

 自由党は、問題が発覚した後、全自由党系上院議員を党から引き離し、無所属とすることを決定した。今回任命された7人も無所属となる。自由党は改革を訴えているが、明確な内容は示していない。

 一方、これまで政権を取ったことがないため上院議員がいない新民主党(NDP)は上院撤廃派。前政権の保守党は、選挙による上院議員選出を訴えている。現在は首相の完全任命制。両野党とも今回の任命について、透明性を確保するとした自由党の公約に違反する、秘密裏に決定された任命方法だと批判した。

 トルドー首相はことし1月に上院議員選出のための諮問委員会メンバーを任命。現在は上院の空席が多いオンタリオ州、マニトバ州、ケベック州からのみ参加している。今回の任命前の空席は、オンタリオ州8議席、ケベック州6議席、マニトバ州4議席。ノバスコシア州、ニューブランズウィック州が2議席、ブリティッシュ・コロンビア州、プリンスエドワード島州が1議席。BC州クリスティ・クラーク州首相はBC州が上院105議席のうち6議席しかないのは不公平だと主張、そのため委員会参加も断ったと語った。

 今回の任命で、保守党系議員が42人、自由党系と主張している議員が26人、無所属が20人。17議席が依然空席のままとなっている。

 

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