ブリティッシュ・コロンビア州新民主党(NDP)は17日、議会で2法案を提出、過熱するバンクーバーの不動産問題解決に乗り出す意欲を示した。

 提出したのはハウジング・アフォダビリティ・ファンド&スペキュレーターフィー法案とプロパティ・トランスファ・タックス(不動産譲渡税)・フェアネス法案。前者は、カナダでの非所得税納税者が所有する不動産に、その価値に応じて2パーセントを課税し、課税分はファンドに回すというもの。後者は不動産譲渡税の納税義務を回避できる法律の抜け穴をふさぐための法案。

 これは先月全国紙グローブ&メールが掲載したことがきっかけ。バンクーバーで行われている「シャドーフリッピング」と言われる不動産転売行為が、不動産譲渡税を逃れられるほか、マネーロンダリングの可能性もあるという悪質性が指摘され、BC州政府が本格的に対策に乗り出した。

 法案提出の前日にはNDPは不動産問題について市民を招いて集会を開き、約700人が集まった。主催したデイビッド・イービー議員は「これは深刻な問題であり、大きな危機であり、我々としては州政府にもっと真剣に取り組んでもらいたいと思っている」と語った。この時すでに法案提出も明らかにしていた。

 NDPが法案提出した翌日、クリスティ・クラーク州首相はスタンレーパークで会見を開き、「シャドーフリッピング」問題に真剣に取り組むと語った。

 クラーク州首相は「欲をむき出した以外の何ものでもない」とシャドーフリッピングをする不動産業者を批判。新規則ではシャドーフリッピングを防止するよう売り手の同意書の義務付けや違反した不動産業者には何らかの罰則が科せられるようになると説明した。違反した業者への罰則はBC不動産協議会が決定する。

 現在、独立機関が不動産契約譲渡について調査中で、州政府、BC不動産協議会ともに調査結果を待って対応を検討する。

 クラーク州首相は、違反した業者には不動産販売免許取り消しという対応を期待したいとも語った。

 

System.String[]

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。