ブリティッシュ・コロンビア州クリスティ・クラーク州首相は2月1日、州政府が州内、特にメトロバンクーバーの不動産について海外投資家の影響がどの程度あるのかを調査していることを認めた。

 クラーク州首相はこれまで、昨年6月の調査結果で、海外投資家が関わっているのは5パーセント以下だったことを理由に、海外投資家による不動産価格高騰への影響は限定的との見解を示していた。

 しかしこの日、州営機関BCハウジングが約1年、調査に関わっていることを明らかにした。前日のプロビンス紙でその事実を示す記事が掲載されたことで、質問された時に認めざるを得なかった形だ。

 バンクーバーの急騰する不動産市場については、これまで何度も海外投資家の影響の可能性について疑問が沸き起こり、警鐘も鳴らされてきた。しかしBC州政府は特に対策を講じることはなく、詳細なデータを公表し対策の必要性がないことを証明することもしてこなかった。クラーク州首相は先週、記者に対し、「現在土地を所有している州民の不利益になる可能性があるため、不動産価格を鎮静化する対策を現時点で講じる予定はない」と公言した。

 しかしこの日、内密に調査を行うよう指示していたことが明らかになった。新民主党(NDP)デイビット・イービー議員は、これだけ注目を浴びている、州民にとって最も関心の高い問題についての調査を内密にする必要はないのではないかと批判した。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。