議会予算事務局は19日、報告書を発表し、2015年第3四半期の1世帯当たりの返済負担率が171パーセントになったと報告した。さらに、今年後半には174パーセントまで上昇すると予測。1990年以降で最も高い水準となっている。またG7の中で最悪の状態とも報告した。

 今回の報告内容は、カナダ統計局が昨年12月に発表した数字とは少し異なっている。カナダ統計局は同期の数字を163・7パーセントと発表している。この数字の違いは計算方法の違いによるもの。ただ、カナダ統計局の数字も過去最高水準であることは間違いない。

 返済負担率はカナダ銀行や他の関係金融機関が注目している数字でもある。カナダ銀行はカナダの返済負担率が高いことに世帯の経済状況が不安定である証拠と警鐘を鳴らし続けている。もし仮に金利が上がるか、大きな経済的打撃を被れば、家庭への影響は避けられず、カナダ経済にも大きな影響が出る。

 返済負担率が上昇している原因の一つは低金利。住宅ローンなどの金利は低く、現在、カナダ銀行は政策金利を0・5パーセントまで下げている。原油価格の急落による影響などで、さらなる引き下げも予測されている。しかし、将来的には5年以内に金利は通常レベルまで引き上げられると予測されており、そうなれば各世帯が危機的状況に陥る可能性もあるとしている。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。