カナダのジュネーブ常駐国連大使が、兵器用核分裂性物質の生産禁止条約(FMCT)の制定で先導的な役割を果たすべく、強い働きかけをしていることが10日分かった。今年の3月31日、4月1日にジャスティン・トルドー首相が核兵器セキュリティサミットに出席する前にこうした働きかけを活発にしている。

 カナダは以前から核不拡散の活動に力を入れてきたが、今月、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が水素爆弾の実験に成功したとの発表を受け、核不拡散の活動はより早急な事態に入っていると認識されている。

 FMCTは最近になって認識されはじめた条約ではなく、1957年から国連の議題となっているもので、現在は暗礁に乗り上げている。カナダはこの条約に関して制定に積極的な立場で活動をしてきてはいるものの、いまだ制定までには至っていない。

 トルドー首相が参加する予定の核兵器セキュリティサミットはオバマ大統領の働きかけにより2010年に始まり、2年に一度開催されている。オバマ大統領にとっては今回が大統領として最後のサミットとなる。トルドー首相は、大きな国際的問題についてオバマ大統領と協力していく意向を昨秋すでに発表している。国連主導、アメリカ大統領主導に関わらず、不拡散はカナダにとって重要な国際協力事項と位置付けられている。

 

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