ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーの薬局が、政府からの補助金打ち切り後も、その分を自費で補填して営業を続けている。

 5日に薬局への補助金制度(ファーマ・ケア・プログラム)を解約されたのは、同市イーストサイドにあるイーストサイド・ファーマシー。

 BC州政府が補助金を打ち切った理由は、政府に提出された補助金申請のうち100万ドル以上が不適切だったり、無効だったりしたことが発覚したため。2014年7月以来、このような不正によって補助金制度を解約された薬局は、20店を上回っているという。

 イーストサイド・ファーマシーの経営者アレックス・タンさんは、不適切な申請は事務処理の段階でおこったもので、現在は申請は適切に行われており、補助金制度解約は公正さに欠けると非難している。当時は人手不足で自分ひとりで多くの業務をこなさざるをえず、従業員に十分な訓練を受けさせることもできなかったと、タンさんは話している。

 彼はまた同市ダウンタウン・イーストサイドの生活弱者のためにも、補助金交付の継続をBC州最高裁に訴えている。

 しかし今のところ、彼は打ち切られた補助金の分を患者に転嫁することなく、以前と同じ価格で薬を提供している。つまり差額は自腹で補填しているということだ。

 地域の住民の幸せを第一に考えているというタンさん。「精一杯の思いやりと幸せをほどこしたい」と語る彼について、たしかに地域で一番かつ現実的なサービスを提供してくれる薬局だと、近隣住民も語っている。

 看護師の中にも、他の薬局が受け付けたがらないような難しい患者でも相手にするタンさんを評価している人がいる。またそのような患者でも、うまくやっていけるのが彼だとも話している。

 イーストサイド・ファーマシーでは現在10人の従業員が働いており、かかりつけとなっている患者数は800人を超え、そのうちの約250人がHIV感染者だという。タンさんは自腹で差額を埋めていける間は、このまま続けていくつもりだと取材に答えている。

 

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