カルチャーショックのない街?

 先日、美容院で担当の美容師さんとの雑談の中でこんなことを聞かれました。「カナダに来て驚いたことって何ですか?」う~ん、そうだなぁ、「驚いたことは……ないですね」と答えてしまった私。もちろん、日本とカナダとの違いはいろいろあるし、「えっ、そうなの?」「なんで?」という経験もたびたびですが、昔暮らしたインドネシアでふと見ると手足のない人が歩いていたとか、日本人学校にロケット弾が飛んで来たとか、最近暮らした韓国で双子ベビーカー(1歳)で外出したら100人に話しかけられたとか、マンション20階超の引っ越しでも外からクレーンで一気に荷物を上下させるとか、6時間立ち寄ったニューヨークで3回も逮捕・逃走劇を目撃したとか、キューバで野球のナイター観戦をしたら乱闘3回につき試合終了が12時になったとか、こうしたカルチャーショック測定器の針が振れるほどの経験をしていないからかな。
 バンクーバーは概して平和で、たいていの時間を心穏やかに過ごすことができました。きっとそうだと信じていたからこそ、子どもの手を引いて来られたのでしょう。そんな日々の中でみつけた、目玉が飛び出はしないけれど日本になじみのない出来事や発見とは?
 総括の思いを込めて、書きとめておきます。

バンクーバーの小さな「びっくり」

「電車の運転士はどこ?」
もちろんスカイトレインのこと。駅には駅員の姿もなく車内放送もないですが、ついぞ人身事故には遭遇せず。
「プリウスがタクシーになってる」
 娘たちのおじいちゃんの愛車でもあるおなじみのプリウス。よってタクシーが通過するたびに娘たち大興奮。
「フロントライトつけっ放しよ!」
カナダ初日、タクシーの中から対向車のフロントライトが煌々と点灯しているのを発見。標準装備なら、つけ忘れ、消し忘れもなく。
「素朴な丸太の電信柱」
木材資源の豊かな国、リサイクル精神の息づく街を思わせる、自然体な電柱の姿に心癒されます。
「日本と異なる季節感」
梅雨の花アジサイは8月にも美しく咲き誇り、春の花タンポポは9月でも元気よく群生。気候の穏やかな分、四季の変化には気づきにくいですけど。
「虫除けスプレー不要」
 日本の夏をより悩ましくさせる存在、蚊。コレのいないおかげでどれだけ公園遊びが楽しかったか。
「ノースバンクーバーは別の国?」
 1ヵ月のノースバン生活の後のバンクーバーは、人種の多様さ、若者パワーに圧倒され。バンクーバーが東京に見えたものです。
「マジメそうなあの人まで」
タトゥー遭遇率の高いこと。ワルそうな人の腕・肩ばかりでなく、ヨガ仲間のやさしそうなママさんのヒップにも。
「カナダにはお酒がない?」
 子連れで行動していたらリカーショップに出会わず半年が経過。「ここはノンアルコールの国?」友人宅では嗜んでいましたが。
「スタバのトイレに……」
 もしかしたら一番驚いたのはコレかもしれません。ダウンタウンのカフェのトイレに備え付けの注射器専用ゴミ箱が。目を疑うってこのことです。

 最後にブラックなものを持ってきてしまいましたが、これもバンクーバーの一つの顔。「苦肉の政策」と言うのでしょうか。ちなみに、その担当美容師さんは、「ブロンドの大人は髪を染めていることが多い」という事実に驚いたそうです。なるほど、髪の毛といえば「ブロンド寄りの人は白髪との同居がナチュラル」とうらやましくも感じるこの頃です。 

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2013年12月12日 第50号 掲載

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