バラエティ豊かな楽しみ方


 娘たちにとって二度目のハロウィンということで、その日がどんな意味を持ち、何を準備し、どんなアクティビティをするかというのは学習済み。何週間も前から二人の間ではその計画で持ちきりでした。今年はパンプキンカービングという一大イベントを私の気合不足のため省いてしまったのですが、その代わり、5種類の仮装イベントに参加し、お祭り気分をホットに持続することができました。
 第一弾が、ショッピングモール、シティ・スクエアでの「Trick or Treat」。次が、イエールタウン、ラウンドハウスの「Thrill Vancouver」見学。第三弾は、仮装してのバレエレッスン。ここまでがハロウィン前の週末。そして第四弾は、10月31日当日の学校イベント。そして当日夜、本番の「Trick or Treat」という流れです。
 中でも印象的だったのが、「Thrill Vancouver」。これは、ゾンビになりきった人たちがマイケル・ジャクソンの名曲「Thriller」を踊るイベントで、世界各地で開催されているようです。参加者の仮装の凝りようといったら、頭にナイフが刺さっている人、内臓が飛び出た人、服が破れて背骨が見える人……。娘たちはゾンビのプリンセスに憧れ、一緒に写真を撮らせてもらいました。
 ドライアイスの立ち込める中、異様な表情をしたゾンビの大群衆が同じ動きで迫ってくる光景は、娘たちを微動だにさせず惹きつけるには十分でした。ダンス終了後、ゾンビたちがそのままの姿でスカイトレインで帰って行く様子もまたユニーク。わが家はその後、マイケル・ジャクソンブーム到来となり、娘たちはだいぶ振りをマスターしてきています。来年もバンクーバーにいたらぜひゾンビになりたい!と夢見る私たち親子でした。

死者が甦る夜にご用心

 ハロウィン当日の朝、早起きして食事を済ませ、仮装にとりかかります。娘の一人は大きな三角帽とマントで魔女に、もう一人は耳としっぽと蝶ネクタイで黒猫になりきりました。もちろん、フェイスペインティングは入念に。あいにくの雨降りでしたが、せっかくキメたということでレインコートもジャケットも羽織らずキンダーへ向かいました。
 登校後、まず体育館で全校集会。低学年ほどプリンセスやヒーローになる割合が高く、高学年ほど魔女や怪物やゾンビになる傾向があるのはおもしろいですね。キンダーの教室では、かわいらしい警察官やてんとう虫やスーパーマリオたちがハロウィンソングを3曲披露してくれました。
 そして夜、クライマックスのTrick or Treatです。数日前からデコレーションしたハロウィンムード満点の家に加え、当日オレンジの灯りを灯しだす家も現れ、予想以上に近所の参加率が高いことを知りました。雨も上がって、さあ出発です。
 お友達の家のドアをノックしたのを皮切りに、家々をゆっくり訪問しながら帰る計画で進んでいましたが、ある時、パンパンパンと花火(爆竹?)の音が鳴りました。振り返ると、十数メートル先にもうもう煙が立ち込めています。どうやら私たちの後ろを歩く5人組ティーンネイジャーが仕掛けた模様。そのとたん、娘たちは「すぐ家に帰る!」と泣き出しそうになっています。「じゃあ、あっちの道から帰ろうね」と方向転換すると、また別の煙が……。その道も避け、足早に逃げ帰るように家にたどり着いたのでした。
 やはり夜。小学校でも注意を促す放送が流れ、東京在住の夫は「出歩かないほうがいい」と忠告していたくらいで、特別な日とはいえ5歳児にはちょっと遅い時間だったかも。特別な日ゆえにティーンネイジャーたちは浮かれ気分だったのだろうし、そんな時こそ親は気を引き締めないとね。
 ともあれハロウィンの夜、早々に切り上げたつもりだった割には、棚から溢れんばかりのお菓子がわが家に集合しています。

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2013年11月7日 第45号 掲載

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