生理不順のおかげで、私は、妊娠初期に超音波検査を受けることなった。カナダでは、普通は中期に一度しか

検査当日は、ダンナも一緒についてきた。待合室で手に取ったパンフレットには、赤ちゃんの目鼻までくっきりと見える写真が。うわ、すごい!!と中を 読むと、これは3Dの画像で、保険適用外の(要するにお金を払う)サービス。199ドルのパッケージには、30分のセッションにDVDやら性別判断やらが ついているらしい。

もちろん、私が今回受けるのはこんな豪華版ではない。白黒画面でノイズがいっぱいのやつである。それでも、赤ちゃんの姿を初めて見る、ということでドキドキした。

まずはドクターが胎児の位置や大きさ、胎盤などをチェック。その間、私はモニターを見ることはできない。とりあえずは、異常はないとのことだった。

それが終わると、待合室のダンナを呼んできて、赤ちゃんとご対面となる。わくわくしながら画面を見ると…。なにこれ?なんか空洞の中にちっこい丸いものがあるけど?

「あのー、赤ちゃんって、この豆みたいなやつですか?」ドクターは笑いながら、そうだと教えてくれた。それを見た私は、「ああ、母親になるんだ!!」と いう実感がメラメラわいてきた…、ということは、ありませんでした。正直なところ。なにしろ、ただの豆にしか見えなかったので…。でもともかく、胎児は正 常ということで、一安心。これ以降、私とダンナは、お腹の赤ちゃんを「豆ちゃん」と呼ぶことにした。

ちなみに、この後、私は超音波検査を3回受けた。2回目は中期、そして3・4回目は、臨月に、胎児が小さめだという理由で、ドクターから検査を指 示された。でも実際に、生まれた赤ん坊は3000グラム弱。なんだ普通じゃんと思ったけれど、病院ではTiny babyと言われ続けた。やはりカナダの基準では、小さめらしい。そんなカナダと日本のギャップは、妊娠生活中、いろいろな場面で感じさせられた。

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