バンクーバー商工会議所が主催した2月27日の午餐会に、国際オリンピック委員会(IOC)ジャック・ロゲ会長が招待され、講演を行った。
その中で「2年後のバンクーバーオリンピック開催が必ず成功すると大いに期待できる」と太鼓判を押した。
「オリンピックでは開催都市によって受け継がれていくものがある」として、環境保護と社会とのつながりを強調した。
特に環境問題に関しては、今年8月に開催される夏季オリンピック北京大会について言及。「北京の大気汚染問題をいまさら隠すつもりはない。
ただ、中国はこの問題について大変な努力をしている」と語り、中国政府はオリンピックまでに大会周辺地域から約130万台の自動車を減らすことを目標にしていると説明した。
地域社会とのつながりの重要性は、これまでのオリンピックでも証明されている。子供たちやコミュニティが一体となってオリンピックを作り上げ、スポーツ振興だけでない教育現場とのかかわりが重要だと語った。
オリンピックにおける経済効果については、顕著に表れるのが旅行業界で、例えば1992年のバルセロナ大会、2000年シドニー大会、2006年トリノ大会などどこも、大会期間中だけではなく、大会終了後も大きな利益を生んでいる。
「オリンピックは職や仕事数を増やすだけではなく、GDPを押し上げるほどの効果がある」と強調した。
「バンクーバーオリンピックは2年後だが、すでに社会的、経済的な効果を上げている。環境への取り組みにしても1994年リリハンメル大会以来最も素晴らしい。
この先のオリンピック開催においてバンクーバーがお手本となる大会になることは間違いない」と語った。
「オリンピック終了後に何が残せるかが大切」
IOC会長の講演が終了後、バンクーバーオリンピック・パラリンピック冬季競技大会組織委員会(VANOC)のジョン・ファーロングCEOがメディアの前に立った。
その中で質問が集中したのが、ダウンタウンイーストサイドとセキュリティの問題だった。
ダウンタウンイーストサイドについては、「IOC会長はダウンタウンイーストサイドを訪問する予定になっている」とし、
前日にバンクーバーに到着したばかりで、今日までの時間で訪問する時間が取れていないと説明した。
この日は講演会場となったコンベンションセンター周辺には30人以上の警察官がバリケードを張って警備。その前では、貧困撲滅のプラカードを掲げる人々が抗議していた。
この事態を受けて、このようなことがオリンピック期間中にも起こりうるのかとの質問に対しては、
「何人の警察官が出動してどれくらいのプロテストの人々がいるかは分からないが、抗議をする人の数が以前に比べて減ってきているのは確かなこと。
それは私たちが約束したことを有言実行することがわかってきた表れだと思う」と答え、「2010年に誰もが期待することは、ハッピーな環境であり、
スポーツ優先の環境だと思う」とこれからもその努力をしていくと語った。
コミュニティが参加する大きな機会としてボランティアがあげられるが、現在ボランティアへの応募は70カ国から31000件を超えているという。
応募された申込書は、すべて公平に審査され、VANOCが必要としている人材を必要なだけ受け入れると断言した。
さらにもうひとつの大きなコミュニティイベント聖火リレーについては、前日連邦政府がVANOCへ2500万ドルを貢献することを発表したことを受け、
これについてはまだはっきりとこれという使い道が決まっていないが、聖火リレーで少しでも多くのコミュニティとその人々に参加してもらえるような方法を考えたいと話した。
(取材 三島直美)
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