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スピードスケート世界距離別選手権 日本代表、団体追い抜きで女子が表彰台

団体追い抜き女子のレース。縦一列に3選手が並んで滑る

3位に入った日本代表女子。左から、大津、穂積、田畑選手

 

 

 スピードスケート世界距離別選手権が3月12日から15日まで、オリンピック会場となるリッチモンド・オリンピック・オーバルで開催された。

 日本代表は、団体追い抜きで女子が3位に入る健闘を見せ、唯一のメダル獲得となった。個人種目では1つもメダルが取れなかった。。

 

注目の男子500M、最高は及川の6位

500M2本目を滑り終わった後の及川選手。6位に入る

 最終日に行われた注目の男子500メートル。日本からは及川祐(びっくりドンキー)、長島圭一郎(日本電産サンキョー)、加藤条治(日本電産サンキョー)が出場。この種目は2レース滑った合計タイムで順位が決まる。

 長島は1本目を4位につけたが、2本目が伸びず7位に終わり、悔しさからか、記者の前を通り過ぎたものの聞き取れないほどの言葉を残してそのまま去って行った。

500Mに出場、7位となった長島選手


 日本最高順位だったのは及川。1本目を5位につけ、2本目はタイムでは1本目を上回っていたが、合計タイム70.170で6位となった。それでも、試合後比較的明るい表情で、「ここのリンクは結構好きなタイプ」と語り、来年に向けてのイメージをつかんでいたようだった。



 加藤は、「今の体力ではタイムはこんなもの」と言ったものの、「ただトップとこれだけ差をつけられるとは思わなかった。ショックです」と71.190でトップと1.46秒離されての12位という結果にショックを隠しきれなかった。

 女子500メートルは、吉井小百合(日本電産サンキョー)が7位、岡崎朋美(富士急行)8位、大菅小百合(大和ハウス工業)12位だった。

加藤選手、500Mレースのゴール直後

 

女子団体追い抜き3位、長距離は穂積の健闘が光る
 ドイツ戦では第2ピリオドまで相手のディフェンスが想像以上に堅く、シュート数は日本が上回っているのに1点が取れず戸惑ったところがあったと上原キャプテンは振り返った。「ただ、気持ちが落ちているところで、最後の3分で2点返したということは今回の収穫だし、大きな自信になったと思います」と精神的な強さへの手ごたえを口にした。

 これはドイツ戦に限らず、今大会に共通している。予選3戦目、対カナダ戦でも第2ピリオドまでは離されては追いついた。前日のアメリカ戦でも第1ピリオドに2点先取されるも同ピリオド内で同点にした。「緊張する場面で、取られても取り返せる力がついてきたというのは、すごくこの大会に来て成長した部分だと思います」と3位という順位以上の収穫に胸を張った。

 課題としては、今大会を通して、小さなミスから点を取られる場面が多かったこと。それが、結局決勝点となって負ける場面があった。対カナダ戦では、第3ピリオドで集中力が切れて短時間に大量点を取られた。今回はディフェンスが3人だったためDFへの負担も大きかったことなどを中北監督はあげていた。「こうした今大会を通して見えてきた課題を一つ一つ克服して、来年のこの場所につなげたい」と語った。

 2010年この場所で最高の結果を残すための道のりに、日本代表の視界はクリアになりつつある。

 

テスト大会が終了
 大会期間中、日本スケート連盟の鈴木恵一スピード強化部長は今大会の目標を「各選手が自分の順位を確認すること」と語っていた。今回、個人種目でひとつもメダルが取れなかったことで、各選手がこれから1年間でやらなければならない課題が見えた大会でもあった。

 14日に行われた女子1000メートルで5位に入った吉井は、「前半抑え過ぎたかなと思った」と言いながらも、「リラックスしてもこのくらいタイムが出るんだということに、ちょっと自信と安堵と(混ざった)そういう感じですかね」と笑顔で言った。

 来年に向けてのシミュレーションなどを兼ねた今回の遠征に、羽田正樹コーチは、日本食レストランも多くておいしいし、日本人も多くて、長期滞在してもそれほど日本が恋しくなることもないと思うと語り、「選手はそういうことでリラックスできるし、大会にもいい状態で臨めると思う」と日本に近い、ホームのような感じで臨めるのではと語った。

 リッチモンドオーバルは選手村から一番遠い会場。しかし、移動に関してもそれほど心配はないのではと、今大会のオリンピック委員会の対応に好感を持っていた。

 

低速リンク、リッチモンドオーバル

記者の質問に答える岡崎選手。オランダの岡崎朋美ファンクラブの存在は知っていますと笑顔を見せた

 バンクーバー初の本格的スピードスケートリンクは、エコを強調した会場で話題を呼んだが、レースに関して言えば当初から記録が出にくい低速リンクになると言われていた。

 日本選手の氷への印象はさまざまだった。吉井選手や及川選手、穂積選手は、「好きなタイプの氷」と語り、吉井選手は、本拠地長野のMウェーブにとても感じが似ていて「フィーリングのいい氷だと思う」と語った。及川選手は、「リンクはすごく滑りやすい好きなリンク」と言った後、それ以上に「会場内の空気感が好きなんですよ、落ち着く感じがして。リンクに入って、特に内側に入った時に、いいなここって感じがして、いい滑りができそうな感じがします」とリンクの雰囲気を楽しんでいるようだった。

空港そばにあるリッチモンド・オリンピック・オーバル


 逆に相性が悪いと言ったのは加藤選手。「かなり滑らない氷で、滑った感じ自分との相性は最悪かなって」と言って、「合う、合わないというのは、勝負の世界では言い訳にならないので、ここでしっかり滑れるようなスケートとか足とかを作っていきたいなと思います」と来年に向けて目標を見つけた。

 

 

 

 

「日本人が多くて外国に来た気がしない」
 バンクーバーの印象を聞くと、ほとんどの選手がこう答えた。「日本食もおいしいし、中華もおいしい」。選手、スタッフはリッチモンドに滞在したため、食事の印象は「中華料理がおいしい」と口を揃えた。試合後のインタビューでいつも緊張した面持ちで話している穂積選手も、この質問には「近くにおいしい中華レストランを見つけたので、明日のオフにはまた行ってみたい」と顔をほころばせた。

 食事は選手をリラックスさせ、いい結果にもつながる理由のひとつと今村コーチも話す。加藤選手や及川選手も「ご飯がおいしいです」と笑顔を見せた。アウェイをホームに変える。それには食環境も大事なようだ。

 最後にベテランの岡崎選手が、スピードスケートって結構マイナーですけどと言いつつ、「チケットなかなか取れないかもしれませんけど、応援に来てもらえたら嬉しいなと思います」と読者にメッセージをくれた。今度は会場を日の丸に染めてホームにする。それが選手たちの何よりの力となる。


オランダ人、岡崎朋美ファンクラブの面々。
世界中を駆け巡るオランダ人スケートファンたち

 


(取材 三島直美 / 写真 丸山勧・小川学)

この記事掲載は2009年3月19日第12号です。

 

 

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