Vancouver Shinpo -Japanese Weekly Newspaper
topimage
バンクーバー新報のバンクーバー冬季オリンピック情報サイト!
Dual Emblems 冬季オリンピックバンクーバー大会開催日は2010年2月12日から28日
冬季パラリンピックバンクーバー大会開催日は2010年3月12日から21日
ニュース
大会について
開催地について
試合について
一般情報
 
 関連ニュース 特集 新報バックナンバー ホームに戻る
ウィスラーでIPCアルペンW杯最終戦開催。日本チームが実力の高さを示す!!

 


DH競技、座位女子で1位に輝く大日方邦子選手

 

 3月11日から14日にかけてIPC(国際パラリンピック委員会)アルペンW杯最終戦がウィスラーにおいて開催された。3月8日から始まっている公式練習も含めると、期間中にマイナス20℃以下にもなる低温から、新雪が16cm、温度も0℃近くまで上昇し、視界不良という気候変化の激しい中での大会運営だった。

 しかしながら日本の松井貞彦監督が「スキー競技の持っている宿命というか、こういう湿雪から低温までいろんな条件で滑れてウィスラー対策の見通しがついたというか、大変大きな資料になったと思います。大会運営側もいろいろシミュレーション、いいトレーニングになったでしょうね」と記者の質問に答えたように、来年のテスト大会としては大成功を収めた大会といえる。

 そんな中、日本チームは、座位男女で毎日誰かを表彰台に送り込んでおり、カナダチームを含め日本チームも大活躍をした大会だった。

 大会はDH(滑降)、SG(スーパー大回転)、SC(スーパーコンビ:SGとSL)、GS(大回転)、SL(回転)の種目で視覚障害男女、座位男女、立位男女のカテゴリーで争われた。

 日本からは座位女子の青木辰子、大日方邦子、田中佳子、座位男子の森井大輝、鈴木猛史、狩野亮、山本光文、谷口彰、夏目賢治、立位男子の三沢拓、小池岳太、井上真司ら12人の選手が参加。

 IPCアルペン競技では、多くの選手がその全種目にエントリーしており、種目別に専門化する健常者の選手に比べてもタフな精神力や体力、運動能力、技術が必要とされる。日本の選手団ももともとの運動能力が高く、障害の原因もスキーでの事故や交通事故などが多い。もちろん先天的な障害のある選手もいるが「障害を負ったけど頑張る、というよりは頑張っているうちに障害を負ってしまった。でもそのまま辞めないで頑張っている」という選手が多い。

 


立位は手の障害か足の障害を負った選手たち

  今回のウィスラーのコースについて松井監督は「自然地形がでていますね。起伏を削られたようなコースではなくて、自然地形を生かしてうまく作られたコースです」。

 「カナダチームのダウンヒルの経験と知識を生かしたコースだなと思います。もともとスピード系の強いナショナルチームです。ケン・リード、スティーブ・ポロドビンスキー(カナダの元W杯選手)、かれもパラリンピック運営の仕事に携わっています。みんなスピード系出身者ですからネットの設営や安全管理も他のダウンヒルコースより行き届いている」と語り高い評価。選手からも「旗門員の設定がとてもうまい。DHから始まってSGもGSもSLも全部うまい」と非常に高い評価が与えられた。

 11日の初日はDH競技。座位でも時速110kmを越えるスピードで、最後の斜面の変化ではどうしてもジャンプしてしまう。「ダウンヒル競技特有というか、ある種の精神面の決断を求められる」(松井監督談)というこの競技で座位女子1位、座位男子で3位と幸先の良いスタートを切った日本選手団。

 座位女子で1位になった大日向邦子選手は「スピードがあったので。かなり自分なりにはいい感じで来ていましたが、正直勝てるとは昨日まで思っていなくて、カナダの地元の人が練習していて強いなって思っていました」。また「最後のジャンプは度胸を決めていくしかないなって」。

田中佳子選手。SL競技の日は視界がよくなかった

 同様に1位を期待されていた狩野選手は惜しくも3位に終わったが「結果は残念なんですけれど、自分の中で滑りがもう限界に近いです。これ以上速く滑れるか分からないです」と語った。最後のジャンプは?という質問には「今日はコーチからとりあえず息を吐けと、息を吐いて迷わずに突っこんでこいって言われたので、息を吐くだけでした(笑)」と答え、「コースは日本にはないようなうねりとかがあるんですけれど、やっぱり楽しいです。いいイメージができたし、コースも知ることが出来たので、これで(SL・GSの競技で )滑っていいイメージ固めて帰れたらなあって思います」と語った。

 12日からSG、GS、SLと3回勝った鈴木猛史選手は「コースははじめて来たんですけれど難しいなって。日本にないようなコースなので最初に滑った時には大丈夫かなって。でも今回3つ勝てたので来年に向けて自信になったかなって(思います)」と語り、ウィスラーの街の雰囲気に関しては「ゴンドラに乗るときとかも手伝ってくれてみんな温かいなって。街全体が温かいなって思います」と来年も楽しみな様子だった。

松井貞彦監督



 最後に松井監督は「日本では障害を負ってしまうとスポーツをさせない。危ないからといって周りがさせない。アルペン競技は運動能力がないとだめなので、いい選手がいても周りの理解がないとだめ」と日本における課題を語り、今回の大会の結果に対しては「チェアスキーの男子に関しては予定通りの進捗状況。女子の大日方がまだトレーニング不足というか、負傷が前年度、前々年度とあったものですからまだ回復途上ですから」と語った。

 40カ国から1350人のアスリートの参加が予想される来年のパラリンピック。本番では日本選手団のさらなる大活躍が期待できそうである。

日本選手団の主な上位成績
3月11日 DH 座位女子1位 大日方邦子
座位男子3位 狩野亮
3月12日 SG 座位男子1位 鈴木猛史
3月12日 SC 座位女子3位 青木辰子
座位男子2位 鈴木猛史
座位男子3位 森井大輝
3月13日 GS 座位女子2位 大日方邦子
座位女子3位 田中佳子
座位男子1位 鈴木猛史
座位男子3位 森井大輝
3月14日 SL 座位男子1位 鈴木猛史

 

 

 

 


 

(取材/写真 野口英雄)

この記事掲載は2009年3月19日第12号です

 

 

トップに戻る