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車いすカーリング、パラリンピック初陣を白星で飾る



ストーンを投げるスキップ中島とこの日パラリンピック
初出場となった小川亜希(左)。
後ろには大きな日の丸が掲げられていたた

パラリンピック初出場の車いすカーリング日本代表は13日から予選が始まった。代表10カ国総当たり戦で予選は9試合。1日2試合という日もある厳しいスケジュールの中、まずは13日初戦イタリアと対戦した。

韓国側の攻撃を見守るスキップ中島(左)とサード市川 

イタリアに9-6と快勝
 第1エンド、いきなり3点を先制されるという苦しいスタートとなった。第2エンドも苦戦。しかし、スキップ中島洋治が投じた8投目がほぼ完ぺきに決まり、1点を返したところから日本の3エンド連続6ポイント。第7エンドにはやや苦戦した場面も見られたものの2点に抑え、終わってみれば9-6と快勝した。

 尻上がりにチームの調子は上がっていった。ショットも正確に決まり、作戦も的中。第7エンドで2点に抑えられた場面も中島は「まだこちらに運というか流れが残っているのかなと思った」と語った。

 車いすカーリングは第8エンドまでのため、前半での大量失点はそのまま敗戦につながる可能性も大きい。それを抑えられた意味でも第2エンドの1点は大きかった。 
 
まずは1勝、幸先のよいスタート
 第8エンド、1点を追加し勝利が決まった瞬間、中島の顔に思わず笑みがこぼれた。初陣をとりあえず白星で飾れた安堵感だろう。試合中はポーカーフェイスでほとんど感情を表に出さない冷静なスキップもこの時ばかりは特別だった。

 試合後、「(初戦勝って)ホッとしています」と大きく笑った。「今日はかなり緊張していました」と思わず本音も漏れた。

 ポイントとなった第2エンドについて「まだまだ試合序盤ということでチャレンジに出ました」と説明した。ストーンがハウスにひしめく状況で幾つものストーンをはじき黄色のストーンをピタリと中央に。「自分でもびっくりしました」というほど完ぺきに決まった。獲得したのは1ポイントだったが、それからイタリアが崩れ、日本が6ポイント連取したことを思えば大きな1点だった。「やっぱり初戦は大事です」と明日につながる勝ちに終始笑顔がはじけた。

 パラリンピック初出場初勝利。日本の車いすカーリングにとって歴史に残る記念すべき1勝となった。

75歳でパラリンピック初出場、比田井「いい気持ちで戦えた」
 試合後記者に囲まれた比田井隆は「いい気持ちで戦えたので最高という言葉も過言ではないと思う」と75歳にしてパラリンピック初出場を終えた感想をそう語った。「緊張することなく普段通りに投げられました」。

 ただ今日のプレーの自己評価は辛めの60パーセント。それでも「『日本がんばれ』って言葉をいただいていい気分で戦えました」とまずは気持ちよく初戦を終えたようだった。

6試合目にしてようやく2勝目
 初戦を白星で飾ったものの、なかなか次が出なかった。14日の韓国戦。接戦したものの、後半のミスが響き5-7と惜敗した。第6エンド、4ポイント取れるところを3ポイントにしたところが後半だっただけに痛かったと中島は分析した。「悪いところが全部出た感じ。こちらのミスが多かった」とチャンスを生かしきれなかったことを悔やんだ。

 気持ちを切り替えて臨んだはずだった同日2試合目のドイツ戦では4―12と大敗。15日のカナダ戦は2-13、16日1試合目ノルウェー戦は3-11と大量失点で負けるパターンが続いていた。

 ノルウェー戦直後ともなるとさすがに選手たちも落胆した様子を見せていた。「空回りしているのかな」と大会を通して安定したショット率を維持しているファーストの斉藤あや子がぼそっとつぶやいた。氷の幅がつかめていないのかもとも語った。

 そうして臨んだ同日2試合目のスイス戦。均衡した試合が続く中、第6エンドに2ポイントを入れ日本が逆転。しかし、第7エンドに再び逆転されると第8エンドに1ポイントを入れ同点。延長戦に突入し、先行にもかかわらず1ポイントをあげ逆転勝ちを収めた。

 これで6試合を終わって2勝4敗。パラリンピック初出場ながら2勝を挙げるという車いすカーリングにとって大きな飛躍を遂げたが、目標はあくまでもメダル獲得。残り試合を全力で戦っていく。


大会を通して安定したショット率を誇る斉藤。
北京パラリンピックにもアーチェリー選手として
出場した経験をもつ斉藤は「カーリングは団体戦なので心強い」と話した。

 


(取材 三島直美)

この記事掲載は2010年3月18日第12号です