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スレッジホッケー、念願の4強入り。メダル獲得に向けて視界良好



ネット前の攻防。チェコ戦ではシュート数で圧倒した

 アイススレッジホッケー日本代表が予選Aグループ2勝を決め、念願の4強入りを果たした。

 Aグループはチェコ、アメリカ、韓国。カナダ、イタリア、ノルウェー、スウェーデンのBグループに比べて日本にとっての強敵が揃った感じとなった。

 初戦はチェコとの対戦。去年負けも経験しているチーム。試合前、監督も「とにかく初戦のチェコ戦が大事になってくる」と何度も口にした。ここに勝てば4強入りが見えるという大事な初戦となった。

ベンチから飛び出す選手たち。スレッジ用にベンチにも氷が張られ、ベンチの壁やドアは選手たちが見やすいように透明な素材で視界を良くしている 

チェコ戦に2-1と辛勝も3ポイント獲得
 「とにかくこの3ポイントは大きい」と試合後、中北浩仁監督は語った。試合開始から完全に日本のペースだったが、なかなか得点に結び付かなかった。バンクーバー初ゴールを決めたのは、第2ピリオド開始早々、主将DF遠藤隆生だった。「第1ピリオド、シュートを放つけれどもなかなか点が入らなかったので、第2ピリオドにあのような形で自分が決められたのはチームにとっていい刺激になったのではないかと思います」と振り返った。

 第3ピリオドに1点を返され同点となったものの、8:19には石田夏彦が鮮やかなゴールを決め、これが決勝ゴール。「向こうのキーパーに対応できたゴールでした」と石田。遠藤主将のもと、チームが一丸となってつかみ取った勝利だったことも強調した。

 初戦勝って、まずは3ポイント。念願の4強入りに大会1日目から一歩近づいた。

韓国を圧勝、5-0とシャットアウト
 先制点を決めたのは日本のエース上原大祐だった。得点しなければという重圧は特になかったという。開始早々4:46に放ったこのゴールで日本の士気が一気に高まった。1分30秒後には吉川守が、その1分30秒後には遠藤がと、立て続けに3ゴールを決め、第1ピリオドを終え3-0と上々の立ち上がりを見せた。

 第3ピリオドには2点のダメ押し。シュート数も25対11と圧倒。GK永瀬充は今大会初シャットアウトを決めた。

 遠藤主将は「チーム状態は今最高にいいですね」と満面の笑み。「ゴールを熱くする」を合言葉にとにかくシュートを打ってゴールを狙っていく。最後ダメ押しの5点目を入れた高橋和廣は、「壁破ったぞぉというのがあってほんと良かったです」とこの勝利で念願の4強入りを果たした実感を口にした。

 中北監督は「試合終了20秒前くらいにはこみあげてくるものがありました」と待ち望んだこの日の勝利についてそう表現した。ほんとによくやった、ハートでつかんだ勝利と選手たちへの称賛の言葉が後から後から湧き出てきた。

 これで予選アメリカ戦を残して2勝し、まずは念願のパラリンピック4強入りを確実にし、記者会見での雰囲気もとにかく明るかった。「アメリカ戦は予選全勝1位通過を目指して勝ちに行く」。全員がそう口を揃えた。

アメリカ突破ならず、2勝1敗で準決勝はカナダ
 16日のアメリカ戦は完敗だった。スピード、パワー、パス回し、どれもアメリカが一枚上手だった。チェックが早く、二人で来るため、1人抜いてもすぐもう一人がいるという「タフに来るな」と感じる試合展開だったと遠藤主将は振り返った。「チームの悪いところが全部出たかなという感じ」。しかし、試合後、選手たちに悲壮感はなかった。

 ポイントは開始早々に許した得点だったと中北監督。「開始5分が大事だと思っていました。ここで得点させると調子に乗るチームなので」。アメリカの得点は第1ピリオド1:05。アメリカの思うつぼだったというわけだ。結局、各ピリオド2点ずつ得点され0-6。大敗だったが、「これで膿を出し切ったかなという感じ」と中北監督も選手も意外とサバサバしていた。一日リフレッシュして、準決勝に向けて気持ちを切り替えて調整していくと語った。

 準決勝は18日12時からカナダと対決。圧倒的なアウェイの中、日本代表は一つでも上のメダル獲得を目指して王者カナダに敢然と挑む。

 


日本のエース上原。チェコ戦はアシストを、韓国戦はゴールを決めた

 


(取材 三島直美)

この記事掲載は2010年3月18日第12号です