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大日方選手が日本人第一号メダル獲得



鈴木猛史選手。回転競技での数少ない「逆手」技術の使い手

 3月11、12日と新雪が25cm、21cmと降り積もり、3月15日も新雪が15cm、結局1週間で88cmもの新雪に覆われたウィスラー。1月中旬にはウィスラービレッジの標高では雨が続き、サイプレス山の雪を融かす大雨がバンクーバーを襲っていたのがウソのように、パラリンピック開幕に合わせて再び冬の気候にもどってきた。

 海から比較的近いマウンテンリゾートであるウィスラーは、平均すれば毎年1000cmの降雪量があるのだが、その年によってまったく雪の降り方が違う。今年は3月15日で1234cmと例年以上の降雪量。その大雪や霧のために、3月13日に滑降から始まる予定だったアルペンスキーの予定がすべて変更され、1日の順延をいれて3月14日に比較的天候の影響のない回転競技からパラリンピックのアルペンスキーは始まった 。

 その回転競技女子座位で、第一人者の大日方邦子選手(電通PR)が日本人第1号の銅メダルを獲得した。「メダルは結果的にラッキーだった」と語り、「滑降をやらずに回転競技から始まるというのはちょっと想定外だったけど、なんとしてもゴールするぞって思っていた」。滑りには全然納得していないとのことだが、ベテランらしく「この初メダルがパラリンピックアルペンチームのステップになれば」と語った。

 女子の後には男子が出走。この種目で昨年のウィスラーのプレ大会で優勝し、メダルの期待のかかる鈴木猛史選手(駿河台大)はゴール直前で失速し15位に終わった。

 しかしながら座位スキーヤーとして、回転競技で数少ない『逆手』テクニックを使って果敢に攻めてくる鈴木選手に会場からは最も大きな歓声が上がり、パラリンピック回転競技のすごさや魅力を存分に見せてくれ、この競技に出た選手中で最も華を感じさせた選手だった。

 カナダ人では、3月15日ノルディックスキー距離男子20キロフリー視覚障害のブライアン・マッキーバー選手とガイド役の兄ロビン・マッキーバー選手が51分14秒7で金メダル第一号に輝いた。

 ブライアン・マッキーバー選手は今回のオリンピックでも代表に選ばれており、冬季では初めてオリンピックとパラリンピックの代表になった選手だ。タイムを見ると2位に40秒、3位に1分ちょっとの差をつけているが、ブライアン選手がオリンピック代表だったことを考えれば、パラリンピックの選手がオリンピック選手に劣るものではまったくないということがこのタイムからも理解できる。


3月14日、自身9個目となる銅メダルを獲得した大日方邦子選手


(取材 野口英雄)

この記事掲載は2010年3月18日第12号です