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ウィスラーで開催されたIPCノルディックW杯で新田選手が3位入賞

 

男子立位10Km:左から2位イルカ選手(FIN)、1位オレグ選手(RUS)、 3位新田選手(JPN)

 3月4日から7日まで4日間にわたってIPC(国際パラリンピック協会)ノルディックW杯がウィスラー・オリンピックパークで開催された。この大会には19カ国から120人のアスリートが集まり、オリンピックテスト大会としてふさわしい大会となった。

 ほとんどの種目で欧米勢が表彰台をかけて激しいせめぎ合いを見せる中、日本の新田佳浩選手が表彰台に上るなど、日本勢の活躍も見られた。また選手やコーチからもこの大会にたいして高い評価が与えられ、シー・トゥ・スカイ・エリアで初めて開催されたIPCの大会は成功裡に終わったと言えよう。

 今回の大会ではバイアスロンの短距離と長距離、クロスカントリースキーの短距離と中距離だが、それぞれの障害の違いによって男女立位、男女座位、男女視覚障害と分かれており4日間で24のイベントが行われた。

 会場には、車椅子のカーリング体験や座位でのクロスカントリー、バイアスロンの射撃が体験できるコーナーが設置されていて多くの人が興味を持って体験していた。

 特に射撃体験では、ライフルが的に近づくと音程が上がるようになっている音式スコープという、視覚障害者が使っているヘッドフォンをつけ、音を聞きながら狙いを定め的を打ち抜くという体験もできた。

 もちろん、ライフルが的に近くなっていても、自分の呼吸や他の要素によってライフルは動いてしまう。ちなみに記者は目で見ても、音を聞いても一発も的に当てることができなかった。

力走する新田佳浩選手

 日本からは男子座位の長田弘幸選手(日立システム)、久保恒造選手(日立システム)、女子立位の大田渉子選手(日立システム)、出来島桃子選手(新発田市役所)、男子立位の新田佳浩選手(日立システム)、佐藤圭一選手(日立システム)、滝上賢治選手(JAF愛知)、女子視覚障害の鹿沼由理江選手(リクルートオフィスサポート)の8選手とガイドの大平紀夫さんが参加した。

 ロシアやウクライナといった強豪国が上位を独占する中、男子立位クロスカントリー10kmで新田佳浩選手が3位に入賞。

 「昨日、本当に悔しい思いをした(バイアスロンで決勝に進めなかった)ので、今日やっと来シーズンにつながるレースができました。だけどまだ2人の選手には負けているので、今、自分の課題として爆発的な力がまだちょっと足りないなというところを感じます。爆発的な力をだせる心肺機能を高めることと、苦しいところでも我慢して滑れるだけの筋力をつけること、それが出来ればバンクーバーではいい結果に結びつくのではないかなと思いますので、1日1日を大切にしたいと思います」と力強く語った。

 また、男子座位のバイアスロン短距離では久保恒造選手、長田弘幸選手が出場し、多くの選手が射撃で数発外す中で、両選手とも射撃は一発も外さず満射。射撃における集中力の高さを印象付けた。現在45歳、オリンピックの時には46歳になる長田選手は「自分は上り坂が一番のポイントなので、上り坂をいかに早く登るのかが課題」、また「あの年で、あのおっさんがんばっているなと(言わせたい)」と語った。

 他の選手たちも、今回の大会では入賞こそ逃したものの、いくつもの大会で優勝や入賞経験をしており、本番に向けて十分手ごたえを感じている様子が伺えた。

 また、日本の荒井監督も「選手たちもヨーロッパの遠征が終わって一度日本に帰って、日本でジャパン・パラリンピックという代表選考会があったので、それに全員でてからカナダに来ましたので、時差の調整とかなしに来ています。ですからちゃんとしたトレーニング計画と時差調整をやれば十分戦えるだろうなと思います」と語った。

 カナダ勢では、男子視覚障害クロスカントリー短距離と中距離で、ブライアン・マッキーバー選手(ガイド:ロビン・マッキーバーさん)が共に優勝。特に中距離10kmでは26分21秒で走り抜け圧倒的な速さで優勝。2人は兄弟で、ガイド役の兄もオリンピック選手、視覚障害のある弟はパラリンピックの選手。日本で行われた大きな大会の時は、日本のオリンピック選手よりも視覚障害のあるブライアン選手の方が早かったというエピソードもあるという。

 また、女子視覚障害クロスカントリー短距離でロビー・ウエルドン選手(ガイド:ブライアン・ベリーさん)が3位に入賞した。

 パラリンピックまでちょうど1年になったが、来年もまたこのウィスラー・オリンピックパークで、今回参加した選手や、来年に向けて努力している選手たちの輝くような笑顔を見ることができるだろう。

(取材/写真 野口英雄)

この記事掲載は2009年3月12日第11号です