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日本代表、2010年パラリンピックに向けて視界良好!! アイススレッジホッケー・カナダカップ熱戦に幕

 


キャプテンマークをつける上原(#32)。
勝利を呼び込むSOを決めた

 

 日本対ドイツの3位決定戦。試合はシュートアウトまでもつれた。ドイツ3番手が放ったシュートはGK永瀬(#39)にはじかれ、ネットの外へ…。この瞬間日本の3位が決定した。

 ベンチから祈るように見つめていた選手たち、監督、コーチは大きくガッツポーズ、『にっぽん、にっぽん』の大合唱を送っていた観客は大歓声を上げ、日本代表の熱い戦いに大きな拍手を送った。

 2月23日から始まった日本、カナダ、アメリカ、ドイツの4カ国対抗トーナメント・カナダカップ。日本は予選を2勝1敗とし2位につけた。28日の準決勝では予選3位のアメリカと対戦。善戦するも2−3で惜敗、翌日の3位決定戦に回った。

 

3位決定戦 日本3−2ドイツ(SO)

 3月1日。これまで全戦全敗のドイツとの3位決定戦は、予想に反してかなり苦戦した。第2ピリオド終了時点で0−2。1点目を返したのは試合終了まで残り2分26秒だった。FW上原(#32)のシュートがはじかれたところを、DF遠藤(#10)が押し込んだ。

試合残り50秒で同点ゴールを決めた後のDF須藤(#24)

 1−2のまま試合時間は残り1分。日本はゴールキーパーをベンチに戻し、6人で攻撃をかけた。その9秒後、DF須藤(#24)のシュートが決まった。日本にエネルギーを送り込む、起死回生の1点だった。その時、秒数がせわしく少なくなっていく電光掲示板の数字は残り50秒を指していた。

 延長戦(OT)の10分間でも決着がつかなかった手に汗握る接戦はシュートアウト(SO)へ。1番手がともにはずした両チーム、まずは先行のドイツ2番手がはずして、日本はキャプテンの上原。「試合の時は全く緊張しないんですけど」というエースが放ったシュートは、ゴールキーパーにはじかれながらもネットに吸い込まれ、日本代表に大きな大きな決勝ゴールをもたらした。

アシスタントキャプテンFW高橋(#55)。高橋−上原コンビで今大会何度もゴールを決めた

 試合後「あの瞬間(SO)だけはドキドキで。だから決まった瞬間ほっとして泣いちゃったんですよ。よかった〜っと思って」と喉をからした声で答えながら作った笑顔には、キャプテンとしての責任感と安堵感があふれていた。同点ゴールを決めた須藤は、「あの場面であの時間で同点ゴールが決まるなんてめったにないですよね」と笑って「入ってよかったですね」と他人事のように照れ隠しに言った。「監督の采配がよかった結果でした」とベンチと選手のチームワークも勝因に挙げた。

 ドイツの3番手がゴールに失敗した瞬間、選手たちは大きく手をあげてリンクに飛び出した。氷上で抱き合って喜びあう選手たちの笑顔に、会場からは大きな歓声と暖かい拍手が送られた。



収穫と課題が見えた今大会
 ドイツ戦では第2ピリオドまで相手のディフェンスが想像以上に堅く、シュート数は日本が上回っているのに1点が取れず戸惑ったところがあったと上原キャプテンは振り返った。「ただ、気持ちが落ちているところで、最後の3分で2点返したということは今回の収穫だし、大きな自信になったと思います」と精神的な強さへの手ごたえを口にした。

勝利の瞬間を喜ぶ選手たち。SOでGK長瀬(#39)はドイツ3選手をシャットアウトした

 これはドイツ戦に限らず、今大会に共通している。予選3戦目、対カナダ戦でも第2ピリオドまでは離されては追いついた。前日のアメリカ戦でも第1ピリオドに2点先取されるも同ピリオド内で同点にした。「緊張する場面で、取られても取り返せる力がついてきたというのは、すごくこの大会に来て成長した部分だと思います」と3位という順位以上の収穫に胸を張った。

 課題としては、今大会を通して、小さなミスから点を取られる場面が多かったこと。それが、結局決勝点となって負ける場面があった。対カナダ戦では、第3ピリオドで集中力が切れて短時間に大量点を取られた。今回はディフェンスが3人だったためDFへの負担も大きかったことなどを中北監督はあげていた。「こうした今大会を通して見えてきた課題を一つ一つ克服して、来年のこの場所につなげたい」と語った。

 2010年この場所で最高の結果を残すための道のりに、日本代表の視界はクリアになりつつある。

 

カナダカップ結果

 1位カナダ、2位アメリカ、3位日本、4位ドイツ

世界距離別スピードスケート選手権大会、リッチモンドで開催
期間:3月12日(木)から15日(日)12時30分レース開始
会場:リッチモンド・オリンピック・オーバル(6111 River Road, Richmond)
詳細:www.speedskatingrichmond2009.com/

ジュニアカーリング世界選手権
期間:3月5日(木)から15日(日)
会場:バンクーバー・オリンピック/パラリンピック・センター
   (4575 Clancy Loranger Way, Vancouver ナットベリースタジアム横)
詳細:www.wjcc2009.com/

 

 

(取材 三島直美 / 写真 丸山勧・小川学)

この記事掲載は2009年3月5日第10号です

 

車いすカーリング世界選手権終了 日本代表パラリンピック出場決定!!

 バンクーバー・オリンピック/パラリンピック・センターで2月21日から開催されていた車いすカーリング世界選手権は、28日カナダの優勝で幕を閉じた。

 今世界選手権は、来年開催されるパラリンピックへの出場が決定する重要な大会。出場した国には順位によってポイントが加算され、前2大会(2007年、2008年)の世界選手権で獲得したポイントとの合計で、自動的に参加権利を獲得している開催国カナダを除く、上位9カ国がパラリンピックへの切符を手にすることができる。

 今大会に出場していない日本は、他国の結果を待つ身となった。その結果は、1位カナダ、2位スウェーデン、3位ドイツ、4位アメリカ、5位スコットランド、6位韓国、7位ノルウェー、8位中国、9位イタリア、10位スイス。

 ドイツか中国が4位以下ならパラリンピック出場が確定する日本は、中国が8位に終わったことで、カナダを含めた出場可能上位10チーム中10位でパラリンピックへの切符をほぼ手中におさめた。

 これで、2010年に開催されるオリンピック、パラリンピックを通じて、日本代表の出場決定第1号となった。トリノから正式種目となった車いすカーリング、日本はバンクーバーが初参加となる。

 3大会の世界選手権合計ポイントとパラリンピック出場決定国は以下の通り。1位ノルウェー28ポイント、2位カナダ26、3位アメリカ20.5、4位韓国19、5位スコットランド・イギリス18、6位スウェーデン16、7位スイス14、8位ドイツ8、9位イタリア8、10位日本7.5。

 パラリンピック車いすカーリングは、2010年3月13日から20日まで、バンクーバー・オリンピック/パラリンピック・センターで開催される。



2009年車いすカーリング世界選手権。
地元の熱い声援を受け、チームカナダが優勝した


 

(取材 三島直美 / 写真 丸山勧)

 

 

 

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