
浅田選手(左端)たちの記者会見に通訳として
同席する長野さん(右端)(写真提供 / 長野佐知子さん)
注目のオリンピックフィギュアスケート女子フリーが終わり、浅田真央選手は銀メダルを獲得。他の2選手も入賞を果たした。CBCのフィギュアスケートリサーチャーとして活躍する長野佐知子さんは、浅田選手、男子の織田信成選手をジュニア時代からみてきた。今回の結果に「(真央ちゃんは)すごく悲しそうでした。トリプルアクセルコンビネーションを初めて決めた点をもっと評価してほしかった」と語った。
長野さんがこの仕事を始めたきっかけは2004年ドイツの世界選手権。この大会で荒川静香選手が優勝し、通訳を頼まれたのがフィギュアにかかわっていく第一歩となった。翌年、オンタリオ州で行われたジュニア大会で浅田選手、織田選手が優勝。同じく通訳を引き受けた。「二人とはその時からの付き合いで、二人の素晴らしい選手に出会えたことで、ますますフィギュアに熱中していきました」と笑う。長野さんの仕事は彼女たちの成長とともにある。
リサーチャーとは放送用に選手の資料や関係者へのインタビューなどで話を集めるのが仕事。CBCでは日本語を担当しているため日本人選手たちと関わる機会も多い。
「真央ちゃんと初めて仕事で一緒になった時は、まだ15歳。本当に滑るのが楽しくて仕方がないという印象でした」と振り返る。リンクを離れれば15歳の素顔がのぞき、スポンジボブが大好きだったり、記者会見中に他の選手が英語で話している内容を横でしきりに知りたがったりしていたという。そんな浅田選手が変わったのはシニアデビューしてジュニアで初めてキム・ヨナ選手に負けた時からだと長野さんは感じている。「メディアでも負けたことを随分叩かれましたし、プレッシャーを感じるようになったのもこの頃ではないでしょうか。発言も慎重になりましたね」。氷上でも変化があった。女性らしい表情を見せるようになり、表現がどんどん豊かになっていった。15歳の天真爛漫な氷の妖精が19歳の大人の表現者へと脱皮する過程にめぐり会えたことは幸運だったと語った。
長野さんは、最近ではリサーチャーという枠を超え、リポーターとしても活躍している。10月から始まるグランプリシリーズを含め、毎シーズン年間ほぼ全大会にかかわっている。「仕事はとても楽しいです。フィギュアは大好きですし、これからもできる限り続けていきたいと思います」と語った。
(取材 三島直美)
この記事掲載は2010年3月4日第10号です
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