|
聖火リレー記者会見で、カルガリー五輪トーチを持つ3人。左から、ファーロングCEO、連邦政府ギャリー・ランスポーツ担当国務大臣、BC州キャンベル州首相 |
「せっかくバンクーバーに住んでいるんだから、オリンピックに参加したい」と思っている人は多いはず。
「バンクーバー五輪は全州民に利益をもたらすものだ」とオリンピック誘致からブリティッシュ・コロンビア州ゴードン・キャンベル首相は繰り返し強調していたし、「州民全員に参加してほしい」とはバンクーバーオリンピック・パラリンピック冬季競技大会組織委員会(VANOC)のジョン・ファーロングCEOの言葉だ。
具体的に何ができるのかと問われれば、首を傾げる人も少なくないだろう。2010年2月12日のオリンピック開催をあと1年余りに控えて、日系コミュニティーとして、スポーツファンとして、ビジネスマンとして、オリンピックを楽しむBC州民として、これからでも間に合う参加型オリンピックを紹介しよう。
「バンクーバー五輪にとって、コミュニティの協力・参加は不可欠」
VANOC人材・公式言語担当ディレクター、フランシーン・ボルデュークさんインタビュー
第21回冬季オリンピック、第10回冬季パラリンピックバンクーバー大会の管理運営を行っているのは、バンクーバーオリンピック・パラリンピック冬季競技大会組織委員会(VANOC)。2003年9月に組織され、オリンピックを通してカナダのコミュニティーとスポーツ発展を支援、推進していくことを主な目的としている。
そこで、今回はコミュニティーの視点から、VANOCとどのように協力しながら世界最大のスポーツの祭典に参加できるのか、VANOC人材・公式言語担当ディレクターフランシーン・ボルデュークさんに話を聞いた。
ビジネスチャンスをつかむ
オリンピックでのビジネスは大手スポンサーのみだけでなく、地元のスモールビジネスにもその機会が与えられている。「全州民に利益をもたらす」というキャンベル州首相の言葉の意味もここにある。
VANOCは2009年も引き続き契約会社を募集している。
―スモールビジネスがオリンピックにどう貢献できるのでしょうか。
「すべてのビジネスに均等に機会が与えられるように、VANOCはホームページにその詳細を掲載しています。VANOCとビジネスを行いたいと思っている人は、ホームページで自分のビジネス分野に関連するものがあるかを調べて、あれば申請してください。私たちは、アボオリジナルコミュニティーやマイノリティーコミュニティーのスモールビジネスにも積極的に参加してほしいと思っていますし、彼らのビジネスをより発展させるためにお互いに協力していきたいと思っています」
―マイノリティーコミュニティーにとってまだ、VANOCとのビジネスチャンスが残っているということですか。
「どのようなビジネスタイプかということによりますが、まだまだチャンスは残っています。2009年にも引き続きビジネス契約が交わされる予定になっています」
|
大会マスコット。左から、ミガ、クワッチ、スミ。各イベントでオリンピック紹介に活躍している |
環境問題対策について
VANOCは環境問題に力を入れている。オリンピックビジネスを行う場合、環境問題への取り組みを提示することが必要となる。
「環境問題への対策とは、VANOCと何らかの形でビジネスをしたいと思っている会社に対して、どんな形でもいいので、環境問題への関心や対策を行っていることを示してもらうことです。例えば、その企業の製品がどのように製作され、その過程で環境への配慮がなされているのかとか、会社自体が環境問題への取り組みを行っているかということが重要です」
日系コミュニティーとして
バンクーバーの特徴は、なんといっても少数民族のコミュニティーが多いことだ。冬季五輪にしては珍しく大都市での開催とあって、コミュニティーがサポートできることも多い。
―私たちは日系コミュニティーとして、バンクーバーに来る日本人のニーズを熟知していること、さらにバンクーバーをよく知っていることが強みだと思うのですが、VANOCはこうしたマイノリティーコミュニティーとどのようにうまくコミュニケーションをとりながら、オリンピックを成功させたいと思っていますか?
「マイノリティーコミュニティーは、いろいろな面で大きな助けになると思っています。ひとつは、ボランティアに参加してもらうことです。日本人がどれほどボランティアに参加しているかという統計はまだありませんが、もし参加してくれれば大変ありがたいです。コミュニティーとしてぜひ積極的に参加してほしいと思っています。(マイノリティーコーミュニティーの)多様性こそが、VANOCにとって、BC州、カナダのモザイク文化、多文化国家として世界を迎えることができる最大の特徴です。コミュニティーの参加は欠かせないと思っています」
―ボランティア以外では何かありますか
「聖火リレーがあります。リレーランナーとして参加することもそうですが、ランナーが通るコミュニティーでは、コミュニティーで沿道を盛り上げていくというイベントをする予定になっています。もしコミュニティーでカルチュラルオリンピアードに参加したいということであれば、参加資格や方法などはホームページに掲載されていますので、自分たちのコミュニティーで何かできることがあると思えば、VANOCにコンタクトしてください」
―聖火リレーのルートではマイノリティーコミュニティーを通ることになっていますか。
「ルートはすでに発表されましたが、まだどの通りやエリアを通るのかという詳細は決まっていません。詳細なリレールートに関しては、各市と協議して決める必要があります。その聖火ランナーの通過中は、通りが通行止めになったり、イベントが行われたりするわけですからね」
―ボランティアはまだ募集されていますか?
「もちろんです。すでに5万1000人の応募があったのですが、数が多いからといって、必要なセクションをすべてカバーできているかというとそうではないのです。言語サポートについても、まだまだ特定の分野については不足しています。日系コミュニティーでボランティアの参加に興味がある人は、ぜひ応募してみてください。カナダの価値というものには、やはり多文化主義が大きく貢献しています。そういう意味で、日系コミュニティーが積極的に参加してくれることは大変心強いことです。
オリンピックへの貢献に関心があって、ボランティアなどに参加したいと思っている人は、オリンピック・パラリンピック期間中に宿泊できるところがすでにあるといいですね。特に、ウィスラーに在住している人であれば、かなりの特権になりますね」
―オリンピック期間中のビジターに対する言語サポートをVANOCは担当しているのですか?
「私はカナダとオリンピックの公用語に対して責任を担っています。ですから、英語とフランス語を話すスタッフを多く抱えています。さらに、私たちは日本からの人々はもちろんのこと、オリンピックに来る世界中の人たちを歓迎する責任と義務があります。そこで、今は、まずボランティアを選別しています。2009年には3000人がVANOCで働くのですが、多くの言語をカバーできることを優先しています。それぞれすべての会場に派遣され、選手からスタッフ、観客まで行きとどくようにする予定です。期間中は2万8000人のスタッフが22カ国語をカバーすることになっています」
最後に読者に対して「私たちは日系コミュニティーが参加してくれることを大変うれしく思っていますし、日本から多くの人が来ることを歓迎したいと思っています。日系コミュニティーはBC州にとって、カナダにとって、大きな位置を占めていますし、一緒にオリンピックを盛り上げていければうれしいと思っています」と語った。
2009年はカルチュラル・オリンピアードをはじめとして、さまざまなオリンピック関連のイベントが行われる。
オリンピックに参加したいと思っている人にも、まだまだこれからチャンスがあるということだった。
詳細は、バンクーバーオリンピック公式ウェブサイトに掲載されている。
http://www.vancouver2010.com
Cultural Olympiad ―もうひとつのオリンピック―
カルチュラル・オリンピアードは、スポーツの祭典を文化交流の場としても盛り上げていこうと、これまでも各オリンピック期間中に行われてきた。
2010年のバンクーバー五輪ではこれをさらに一歩前進させて、3年にわたり開催している。
ボルデュークさんはインタビューの中で、「カルチュラル・オリンピアードとは、カナダの多文化主義の側面を世界に示すイベントです。これまでのオリンピックでは、カルチュラル・オリンピックは、オリンピックが開催される年のみ行われていました。今回2010年のオリンピックでは、VANOCはそれをさらに一歩発展させて、カナダの文化をさらに高めるために3年に渡って行うことにしました。2008年はローカルに焦点を絞って、2009年はローカルだけれども全国規模で、2010年はローカルも含めて国際的なものとなります」と説明した。
2009年カルチュラル・オリンピアードは2月1日から3月21日まで開催される。音楽や芸術、パフォーマンスなど400以上のイベントが予定されている。
2月12日には1yearカウントダウンとして、バンクーバー出身歌手サラ・マクラクランのコンサートがあるほか、日本から人形浄瑠璃が来加し、3日間の公演を行う。
2009年のイベントリストや参加登録などの詳しい情報は、カルチュラル・オリンピアードウェブサイトを参照。
http://www.vancouver2010.com/en/culture-and-education/-/32702/1vofoe6/index.html
聖火リレーに参加しよう
もう一つのオリンピック参加方法として、聖火リレーがある。カナダ在住であれば国籍を問わずに応募できる。
応募方法は二つ。一つは、RBCのホームページから、コミュニティーにどのような貢献をしてきたかということを書いて応募する。13歳以上が条件。もう一つは、コカ・コーラのホームページから応募できる。13歳以上、環境問題への取り組みを提出することが条件。ユース専用ホームページと一般用ホームページがある。
参加者多数の場合は抽選となる。参加できればいい思い出になることは間違いない。
RBCの応募期間は、2008年11月21日から2009年7月15日まで。応募先はwww.rbc.com/carrythetorch。
コカ・コーラ社は2009年1月から募集開始。一般の応募先はwww.icoke.ca。
13歳から19歳まではユース専用プログラムからも応募できる。www.sogoactive.com
以上、参加するオリンピックとしての側面を紹介した。ビジネスに関しては、VANOCホームページのProcurement Opportunitiesか、2010 Commerce Centre ホームページwww.2010commercecentre.gov.bc.ca/を参照。
自分たちが住む町バンクーバーで開催されるオリンピック。せっかくなら見るだけでなく参加してみるのも面白い。
(取材 三島直美)
この記事掲載は2009年1月1日第1号です
|