車いすカーリング(Wheelchair Curling)の世界選手権大会が、バンクーバー市にあるバンクーバー・オリンピック/パラリンピック・センターで21日から開幕した。
今大会は、来年のバンクーバー・パラリンピックへの出場権獲得のカギとなる重要な大会。各国選手の熱い戦いが連日繰り広げられている。
残念なのは、今大会に日本代表が出場できなかったこと。昨年プラハで行われた今世界選手権出場権をかけた大会で4勝5敗と6位だったため、今大会へは出場できなかった。
出場国10カ国、世界最高レベルの熱い戦い
今回出場している国々は世界トップクラス。前2回の世界選手権を制した現在トップのノルウェーをはじめ、カナダ、韓国、アメリカ、スイス、スコットランドの上位国に加え、イタリア、スウェーデン、中国、ドイツと、来年のパラリンピック出場を狙うチームが顔を揃えている。
現在パラリンピック出場権のポイント数で、上位10位に名を連ねながら、今大会に不参加なのは日本だけ。今回の順位次第では、日本代表のパラリンピック出場も見えてくるだけに、その行方に目が離せない。
注目はやはりカナダ。トリノ以来表彰台を逃しているが、世界2位の実力を持つ。そして、現在急上昇中の韓国。ハウスへの命中率世界一という技術でカナダと肩を並べている。
カナダ代表スキップのアームストロング選手(右)。元カーリング選手という異例の経歴を持つ |
開幕第1日第1試合対スコットランド戦。カナダが10-2と圧勝した。ストーンを投げるのは紅一点フォレスト選手 |
車いすカーリングとは
障害者スポーツとして、1990年代にヨーロッパで始まり、カナダでは2002年から本格的に普及し始めた競技。通常のカーリングとアイスリンク、ストーンは全く同じで、ルールもほぼ同じである。
ルール上での大きな違いは、スウィープ(もしくはスウィーピング)と呼ばれるブラシでストーンの進路となる氷上を擦る行為が禁止されていること、チームが必ず女性1選手以上を含めた混合チームであることの2点。試合は8エンド(68分以内)で行われる。得点などのルールはカーリングと同じ。
観戦する側から最もはっきりと分かる違いは、車いすカーリングの方が静かなこと。カーリングの場合は、スウィープしている時に大きな声で指示を出してその白熱ぶりが周囲に伝わるのだが、車いすカーリングではスウィーピングがない。それだけに、会場は比較的静かに熱く戦いが展開していくといった感じだ。
ただ、『氷上のチェス』と呼ばれるカーリング自体の醍醐味は、全く変わらない。知力と技術力と精神力が三位一体となったその面白さは、変わらず見る者を魅了する。
パラリンピック参加以降、競技人口急増
車いすカーリングがパラリンピック競技として正式に参加したのは2006年トリノから。「従来カーリングが盛んだったカナダでは、車いすカーリングが普及する土壌が整っていた。それがトリノを機にその関心が一気に高まった」とwheelcharicurling.com代表のエリック・イールスさんは話す。特にカナダは初代金メダリスト。その影響は大きい。現在では、レクリエーションレベルも含めると競技人口15万人に達する人気となっている。
世界カーリング連盟ケイト・カイスネス副会長は、「トリノパラリンピックに紹介されてからその人気は世界的に広まり、現在の参加加盟国は28カ国にまでなっている」と説明する。「カーリングと同じくらいエキサイティングな試合展開が魅力です。見に来てもらえれば絶対面白いと思いますよ」と語った。

21日に行われた開会式の様子。10カ国の選手が勢揃いした
日本チームが参加していないことについて、「チームジャパンは残念ながら今大会には出場できなかったが、非常にいいチームで確実に力をつけてきている」とプラハでの結果を見ながら話してくれた。
イールスさんも日本代表について、「今回参加できなかったのは少し不運も重なったと思う。力をつけたいいチームに仕上がっているので、パラリンピック出場もまだ可能性があると思う」と語った。
車いすカーリング世界選手権の試合予定
2月26日(木)
9:00am 予選11組2試合、2:30pm 予選12組4試合(両組ともカナダ出場)
2月28日(土)
9:00am 準決勝、2:30pm 決勝、3位決定戦
会場:バンクーバー・オリンピック/パラリンピック・センター
(ヒルクレスト・ナットベリースタジアムパーク)4575 Clancy Loranger Way
(ナットベリースタジアム隣)
HP:www.wwhcc2009.com/ |
(取材 三島直美)
この記事掲載は2009年2月19日第8号です。
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