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青野2位!! W杯チャンピオンの実力を発揮!
   スノーボードハーフパイプワールドカップ

 

優勝したホワイト選手(右)と2位の青野選手

 スノーボードハーフパイプで青野令(スノーフレンズボードクラブ)が2位を獲得した。1位は圧倒的な強さを見せつけたアメリカのショーン・ホワイト。しかし、日本チームは1年後のバンクーバー五輪に向け、手ごたえを感じていたようだった。

 サイプレスマウンテンで12日から4日間の日程で開催されたスノーボードのW杯。13日はスノーボードクロス、14日はハーフパイプの男女決勝が行われた。15日予定されていたパラレル大回転は天候のため中止となった。


1本目を終えた青野選手、会心のランに思わずガッツポーズ

カナディアンにも人気の青野選手の高さのあるジャンプ

青野、世界のホワイトに挑む
 決勝の1本目、果敢に攻めていった青野は、高さと正確な演技で44.8ポイントを獲得。1人を残して2位を5ポイント近くも引き離し、1位に立った。しかし、最後に滑ったホワイトが47.3ポイントを出し、2位に後退。2本目も高いジャンプで観客を沸かせたが得点は伸びず、1本目の結果が1位、2位を決定した。
 試合後、青野は「いやあ、悔しいですね」と開口一番、「格の差を見せつけられた感じですね」とホワイトを意識した。「今日は結構全開な感じでできたつもりだったんですけど、まだまだだよって感じですね」と冷静な青野。ホワイトの滑りについては、「いや〜、うまかったです。でもあれに勝たなくては駄目なんで」とさらに上を目指して、「あと1年で練習するしかないと思います」。青野はこれから1年ホワイト越えに向けた課題に取り組んでいく。
 綿谷直樹チーフコーチは、今日の青野の調子は悪くなかったと振り返り、今後は練習により重点を置いていきたいと語った。

圧倒的な強さを見せた米国ホワイト選手。最後まで高いジャンプを見せ観客を沸かせた

ホワイトのW杯参戦に収穫
 綿谷コーチが今大会で「ようやくショーン・ホワイトと戦うことができたということが、我々にとって大きな収穫だったと思います」と語るほど、ホワイトがW杯に参戦することは珍しい。ホワイトだけではなく、アメリカ代表選手については男女ともシーズン中はプロとして活躍しているため、W杯などにはあまり参戦しないという。
 中でもホワイトは1000万米ドルのスポンサー契約を結んでいるほどの超人気選手。スノーボードハーフパイプの人気をここまで押し上げたパイオニアであり、功労者と言っても過言ではない。
 今回オリンピック会場となるサイプレスで滑って、「予行練習になってよかった。これで来年は少しリラックスして大会に臨むことができる」と余裕のコメントを残した。
 ホワイトファンはカナダにも多く、ハーフパイプは早くからチケットが完売。当日決勝は、彼の滑りを見るためにパイプの両脇には人があふれていた。そんなファンにホワイトは“I love Canada”のコメントも忘れていなかった。

1本目を滑り終えた中島選手。2本目に得点を伸ばした

日本代表、男女ともに健闘
 男子決勝には、工藤洸平(See's)と藤田一海(西条スキークラブ)がともに進み、藤田は40.5ポイントで4位につけた。工藤は予選で足を痛め決勝は欠場した。
 女子は、山岡聡子(アネックススノーボードクラブ)が決勝に進めなかったという不運があったものの、中島志保(桃源郷スノーボードクラブチーム)が12位となった。
 レベルの高い戦いとなった今大会。女子については今大会出場選手がそのままオリンピック出場し、男子はアメリカ選手の中にまだ2人ほど強い選手が含まれていなかったが、「今日の試合のレベルがほぼ世界最高峰の戦いであることを肝に銘じてほしい」と綿谷コーチ。その中でオリンピック会場で戦えたことは収穫だったと語った。

2本目の4位に食い込む藤田選手のジャンプ

日本人にも人気の高いハーフパイプ
 この日会場では多くの日本人ファンも来ていた。「飛んでいる時に声援が聞こえました」と笑ったのは中島選手。「カナダはよく練習でも来ているし、バンクーバーは好きな町です」と語り、「バンクーバーオリンピックに向けてしっかり準備して、オリンピックでいい演技ができると思うので」と期待できるコメントを残した。
 藤田選手は、「こんなにたくさんの観客の中でワールドカップをやるのは初めてかもしれない」と笑って、「さっきモービル乗る時に日本の人に『がんばってください』と声をかけられ、勇気が出ました。ショーン・ホワイトに勝てるように練習を重ねたいと思います。がんばりますので応援よろしくお願いします」とファンにメッセージを送った。
 カナダのメディアにも囲まれていた忙しい青野選手。バンクーバーのファンに向け「声援は聞こえました。とりあえず、(今回は)いい滑りができたんで良かったです。来年もぜひ来たいです」と18歳の高校生の顔に戻って照れながら言った。

惜しくも決勝進出を逃した渡部耕大選手。14位と健闘した

サイプレスマウンテンでのテスト大会終了
 スノーボードW杯で、サイプレスマウンテンでのテスト大会が終了した。8日に行われた今回初登場のスキークロスでは、ゴール地点に観客用のテレビ大画面がないことで、選手の滑りがほとんど見られなかった。スノーボードではこの点がすでに改善され、クロス会場の横に大きな大画面が設置されていて、会場側の早い対応が見られた。
 フィギュアスケートも含めて、シャトルバスや選手結果の配布など、比較的スムーズでメディアへのインタビューの対応も迅速だった。ただ、フリースタイルスキーでは出場登録に時間がかかり、選手が2時間も待たされるという場面も見られた。また、フィギュアスケート会場のパシフィック・コロシアムとダウンタウンを結ぶシャトルバスは、ダウンタウンイーストサイドを避けるコースが取られていた。
 各競技会場ではVANOC関係者の顔も多く見かけ、今後もテスト大会と位置付けている3月末までの国際大会で、警備も含めたさらに多くのシミュレーションが行われるものとみられる。

(取材 三島直美/写真 丸山勧)


この記事掲載は2009年2月19日第8号です