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記者会見に臨む、(左から)ジョン・マクラーレンCFO、ジョン・ファーロングCEO、デーブ・コブ氏 |
バンクーバーオリンピック・パラリンピック冬季競技大会組織委員会(VANOC)が1月30日、修正予算案の詳細を公表した。1月21日にVANOC理事会で承認された修正予算案は約17億6000万ドルの均衡予算で、2007年5月に発表された予算案約16億3000万ドルから1億2700万ドル増額された。
この増額分について、記者会見に臨んだマーケティング・レベニュー・コミュニケーションズ部門担当の責任者デーブ・コブ氏は、2007年5月の時点では詳細が決定していなかった収支部分(たとえばチケット代金やそれに伴う費用など)が明らかになったため今回の予算案に記載したと説明。この調整部分についても収支は均衡しているため、収支全体のバランスに影響はないと付け加えた。
競技運営関連費用が大幅増加
今回の修正案は、世界金融危機の影響を受けての緊縮予算となった。収入ではスポンサー料が約800万ドル減少。しかし、チケットや関連商品販売の増額で相殺している。支出では、販売促進部門やテクノロジー部門、人材管理部門などの費用を削り、競技運営費と競技運営関連費用への割り当てを増額した。特に、運営関連費用については6700万ドルと大幅に増額され、バンクーバー・ウィスラー間の交通機関と宿泊施設の確保が増額の大きな要因と説明した。
2007年予算の段階では1億ドルを計上していた緊急準備基金については、膨れ上がる費用をカバーするためすでに半分を支出に充て、修正案では残り5000万ドルを計上した。ただ、収入に対する緊急準備基金を2700万ドル計上し、今後起こる可能性のある収入不足への対応策とした。
記者会見でジョン・ファーロングCEOは、「世界金融危機の中で予算修正が余儀なくされたが、均衡予算は保たれている。緊急準備基金も7700万ドル計上できているし、健全な予算になったと思う」と語った。
コブ氏は金融危機に伴うスポンサー契約について質問が及ぶと、この先スポンサー契約を結ぶには厳しい状況が続くだろうと語り、VANOCが目標としているスポンサー料までには、あとグローバルスポンサーと国内スポンサー数社との契約が必要と語った。現在の契約スポンサーの状況については、これまでのところスポンサー契約解消はないと強調した。
バンクーバー五輪の国際的な評判を危惧
VANOCは経済上の理由でウィスラー・オリンピック・セレブレーション・プラザでのメダル授与式中止を発表した。これにより約500万ドルの予算節約になると記者会見で説明した。しかし、同プラザは1300万ドルもかけて建設したウィスラーのメイン施設。ファーロングCEOは、メダル授与式は競技施設で行われると説明したが、メイン会場での最大イベントが中止される形となった。
予算案に関連して言えば、VANOCが直接予算に関係していない施設建設、たとえばオリンピック選手村建設など、建設費が増加し建設のあり方自体が問題化している。こうした問題に対して記者から、バンクーバーオリンピック自体の評判が下がるということに危機感はないかとの質問に、ファーロングCEOは、評判とは自分たちでコントロールできないものだと語り、「しかし、我々は世界に向けて(バンクーバーの)名声を築きあげられるほどの投資をしていると思っている」と主張し、世界は今大会に対してポジティブな印象を持ち続けるはずだと否定的な意見を一蹴した。
VANOCの大会運営予算には、競技施設建設費5億8000万ドルは含まれていない。さらに、今後セキュリティ対策予算やSea to Sky highwayなどの関連施設建設費が明らかになれば、オリンピック費用に関する全体像が見えてくる。その時に再び、こうした議論が出てくる可能性は否めない。
(取材 三島直美)
この記事掲載は2009年2月5日第6号です
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