どうして読めるの!?

 毎日二冊、娘たちはリーディングの宿題としてキンダーから絵本を持って帰ってきます。就寝前のわずかな時間、私の膝に座って単語を一つずつ指さしながらその日の絵本を読んでいます。「子どもの勉強を見る」ことを苦手とする私ですが、この時間は心穏やかな触れ合いのひと時です。
 リーディングの宿題が初めて出されたのは、キンダーに入学してふた月目、ハロウィン気分の躍り出す頃でした。面接や授業参観を通して、リーディングの授業がどのようになされているかは聞いていました。教材として使われる絵本には、短い文と単語中心のピンク色のテープを貼った絵本、短めのリズミカルな文で構成された赤いテープの絵本、より長文で物語性のある黄色いテープの絵本があります。担任の先生は子ども一人ひとりの理解度を把握し、読むべき絵本の色を指定します。そして、子どもたちは先生やバーディー(上級生のペア)に何度か読んでもらった後、自ら読む練習をします。
 娘たちは、赤いテープの絵本を持って帰ってきました。初日、私の目の前で娘たちがそれらを音読してみせた時、びっくり仰天しました。日本語の絵本もすらすら読むほどではなかったし、私も英語の本を熱心に読んで聞かせるほうではなかったので。その晩、娘たちはPC画面のおばあちゃんに向けて嬉々として披露していました。

魅力的絵本との出会い

 私にとって「ホームリーディング」の第二の収穫は、教材になっている絵本のおもしろさでした。10ページ未満から長くても20ページほどの薄い小さな絵本ですが、かわいらしいストーリーの最後にはオチが来ることが多い(子どもは気づきませんが)。小気味よく予想を裏切られた絵本もあり、『Copy-cat』『Bird Talk』『Sam and Bingo』は帰国の際に買って帰るリストに入っています。
 カナダ生活一年で読んだ中では『Leo the Late Bloomer』『The Quiltmaker’s Gift』などが印象に残っていますが、書店や図書館でいざ絵本を選ぼうとすると、その膨大な数に途方に暮れてしまいます。娘たちが自ら選んでくるのは決まってディズニープリンセスとバービーストーリー。日本のように「書店員も泣いた!」などのポップが立っていたり、「5歳児に贈るオススメ本」コーナーがあったらと思うこともありますが(書店員や司書がアドバイザーなのでしょうが)、今回はよい機会となりました。
 さあ明日はどんな絵本とのご対面があるでしょうか。

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2013年11月21日 第46号 掲載

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