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JAPAN BONSAI Garden Art 社長  山浦 敬昭氏



 温室の外からあたりを見渡すと、ゆるやかな勾配の丘がつらなり、自然の緑が多いのがよくわかる。「私は移住したときからここ、ホワイトロックにいるんですよ。私にとっては木を育てる土地は体の一部のようなもの。愛着のもてる土地を探して、ここに決めました」

  エーカーの広さのジャパンボンサイの敷地を紹介しながら、山浦敬昭氏はこう語ってくれた。


 日本の盆栽をカナダで広めたい


 子供の頃から種を植えたり、つぎ木をしたりして植物を育てるのが好きだった山浦氏。いつしか盆栽に興味を持つようになり、盆栽教室に通い奥の深いその世界を学んだ。東京農業大学を卒業後、研修のためにカルフォルニアの園芸農場で2年間働く。

  当時の北米では盆栽を知る人は皆無に近かったが、ふと手にした園芸雑誌の「将来有望なビジネス」の中に盆栽があったのを目にして、北米で盆栽を広めてみたいという夢がふくらんだ。そして日本と気候が似ているバンクーバーに1970年に移住。


 盆栽は「生きた彫刻」とも呼ばれる。素材となる木の個性を引き出す完成時の姿をイメージし、その姿になるまで長い年月をかけて育て上げるからだ。

 「カナダでの盆栽作りは、私が日本から持ってきた種や苗から始めたので、最初の頃は『これが盆栽です』と見せられるものは無かったんですね。また盆栽の知名度も低かった。そこで近所の百貨店に『盆栽を教えます』と広告を出したところ、そこのバイヤーが盆栽を見たいと自宅にやってきたんです」

 こうしてビジネスとしての手ごたえは徐々に出てきたが、その成長はゆっくりしたものだったので、生活を支えるために一般の園芸品種(シャクナゲや生け垣など)の生産・販売を手がけたり、日本から種を取り寄せての大根や白菜の栽培も行ったりもした。

盆栽にふれる喜びをより多くの人に伝えたい


 「盆栽を見ていると、自然の縮図を見ている以上のもの、例えば自分の幼い頃に遊んだ自然の情景までもがよみがえってくるんです。そういう、盆栽を通して想像の世界を楽しむ喜びを多くの人に知ってもらいたいというのが私の願いなんです」

そのために山浦氏は積極的に活動している。地元のガーデニングクラブでデモンストレーションやレクチャーを行うかたわら、西海岸にいくつかある盆栽クラブのひとつ ボンサイ・ソサエティーの会長も勤める。こうした努力の積み重ねで、やがてボンサイは知名度を上げていき、今ではバンクーバー・サンなど地元紙にも取材されるほどになった。

 「でも、まだ軌道に乗るところまでは来ていないんです。もっと多くの人に盆栽の良さを知ってもらうためにいろいろなことをしていきたいですね」と語る山浦氏。盆栽に触れることが自然とのつながりをもたらし、心の癒しにもなるとのこと。店内も、教室もそんな盆栽の持つ力をゆっくり楽しめるように落ち着いた空間になるように工夫されている。
(取材 平野直樹)

JAPAN BONSAI Garden Art
住 所:16164 - 24th Ave. S. Surry, BC V4P 2S3
電 話:604-536-9220
F a x:604-536-8799
Web:http://www.japanbonsai.com
業務内容:盆栽の製造・販売。小売のほか、卸売りもおこなっている。また、初心者、経験者向けの盆栽教室もひらき、盆栽の普及につとめている。教室のスケジュールについては、上記電話番号に問い合わせを。

山浦 敬昭(やまうら たかあき)
長崎県出身。子供の頃から実家の所有していた山林を駆け巡り、春夏秋冬自然の中で遊んでいた。そのうち父について杉や松の植林も手伝うようになった。このころから山浦氏にとって、木と土地は特別なものになっていった。東京農業大学卒。奥さんの静恵さんと娘さん2人の4人家族。