
「心」ある料理とおもてなし |
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人気の秘訣は「心」 オーナーの1人、佐藤氏は包丁一筋約50年。日本の皇室でも働いた経験を持つ腕ききの料理人だ。その佐藤氏の下で修行し、氏の技法と心を受け継いだのが「豐臣家」のシェフ、マオ(Mao)さん。彼に「料理を作るとき、一番大切にしていることは」と問うと、「心です。私は師から料理に心を入れること、お客さまは笑顔にもお金を払っていらっしゃるのだから、いつでも笑顔を絶やさないことが大切だと教わりました」と惑わず答えてくれた。マオさんの料理には、日本の料亭で見るような品と美しさがある。それは彼の真心の表れた形だ。 「豐臣家」自慢の品々 本日は数あるメニューの中から自慢の4品を頂く。1品目は皇室メニューの中から「牛肉と茸の冷たいスープ」。ゼリー状のカツオスープの中に、細かく刻んだ牛肉と茸、わかめが入っており、添えられられたライムを搾ると、鰹出しの豊かな風味にさっぱり感が加わる。こんもりと載った荒削りの鰹節とカリカリの茸チップスが、柔らかなゼリーと対照的な触感のバランスを作り出す。 人気メニューの1つ「えびの酢の物」は、タイガーエビが3つも入った贅沢な白滝ときゅうりの酢のもの。砂糖の変わりに蜂蜜を使っている甘酢は、さっぱりとして上品な甘さだ。ぷりぷりのえびの上に添えられた山椒の芽(薬味は時期によって変わる)が懐かしい日本の薫りを偲ばせる。 必ず賞味して欲しいのは、日本から空輸される新鮮な魚、そのものを味わう「日替わりのすしと刺身の盛り合わせ」。大ぶりのすしネタはキミダイとアジ。きれいな桜色をしたキミダイは、やわらかい身の中にシャキッとした触感が残り、アジはこりこりとした身がふっくらと握られたシャリとよく合う。透き通る白さのイカは青じそと。甘エビのむきたての身はしっとりとして、しょう油が要らないほど甘い。特性のカツオのたたきは、ガーリックフレークの入ったポン酢と一緒に。絶妙の火加減は魚の新鮮味を損なわず、身は口の中でとろけるほどやわらかい。端に添えられたわさびも新鮮なものを使用。生わさびをすった青味の残る特有の辛さが、魚の味を引き立たせる。 最後はシグネチャーロールの1つ「帆立貝の驚喜」。ベースはピリ辛の鉄火巻き。その上に、粗く刻んだ帆立貝と甘めのマヨネーズソース和え。少しだけマスタードが効いている。一番上には、黒ゴマペーストと色鮮やかなトビ子がのる。トビ子のプチプチ感とゴマペーストのやわらかさ、甘いソースを引きしめるマグロの辛さ。いろんな触感と味が口の中で交互するボリュームのある一品だ。 もてなしの「心」が、また来たいと思わせる 「今日召し上がっていただいたのが、豐臣家の偽りのない味です。いつでも最高の味とサービスを楽しんでいただけます」とマネージャーのジャックさん。料理を丁寧に説明する彼は、物腰がやわらかく、自分が特別客になったような贅沢な気分にさせてくれる。帰り際には、アイスクリームと食べきれなかった料理を持たせてくれる心遣いも。その気持ちが嬉しくて、おなかが一杯にもかかわらず再び席につく。黒ゴマのアイスクリームは自家製で、甘さ控えめ。結局1人分には多すぎる量をペロリと平らげてしまった。 取材終了時は3時半。ランチにはいささか遅い時間にもかかわらず客足が耐えない。その人気の秘密は「豐臣家の心」にあるに違いない。 |
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| (取材 船津美帆) | |||||