カニの甲羅の器の茶碗蒸しにぜいたくにのったカニの身。すくって食べるとだし汁にカニの風味が加わり、なんとも繊細な旨みが味わえる。アボカドの緑とサルサソース赤の配色が鮮やかな「虎連坊ロール」は、辛味を付けた太い身のツナと、揚げ玉、まさごのコンビネーションがピリッ、カリッ、プチプチと楽しい食感を与えてくれる。
日本食通にもスシ・フリークにも、そしてお酒をこよなく愛する人にもお薦めしたいのが、ここ「虎連坊(とられんぼう)」だ。「安くてボリュームがあり、いろんなお酒が楽しめる居酒屋のような店に」というオーナーのテッド川上さんの思いから、スシに限らず焼き鳥やナスのはさみ揚げなど「ろばた」メニューがたくさんある。
コミュニケーションで裏メニューを聞き出そう!
お客さんとのコミュニケーションを大切にしている虎連坊では、オーダーを取る際に「どんなものが食べたいですか?」と聞いてくれる。「甘エビが食べたい」と言えば、身を刺身にして、頭を唐揚げにしてと、メニューにないスタイルでも調理。「こんなものが食べたかった」という顧客の心をしっかりつかんでくれるお店だ。「お腹を満たす店ならたくさんあるので、ここではお客さんに遊んでもらいたいなと思いまして」と川上さん。それを心得たお客さんからは「マグロをちょっとあぶってくれないか?」といった注文がよくあるとか。
メニューにも遊び心があふれており、お店の虎の名にちなんで作ったのは「タイガーアイ・ロール」。サーモンを大葉で巻いて天ぷらにしたものを、さらにイカで巻き込んで寿司にしたこの一品。みごとに虎の目のようである。醤油ではなくスパイシーマヨネーズでいただくところも面白い。
きれいな彩りを見せてくれるのは「マンゴーカリフォルニアロール」。海苔を使わず、大豆でできた「醤油シート」(見た目は薄焼き卵!)でカリフォルニアロールの具材とご飯を包み、トップには中国人に人気のマンゴーの薄切りが来るように巻き込んである。マンゴーのさわやかな酸味と甘みがおいしい珍なる一品だ。

目に鮮やかな
マンゴーカリフォルニアロール
BCロールならぬ「カナダロール」は、サーモンにクリームチーズを挟み込んで揚げたものにアボカドを入れて巻き込んだ寿司だ。チーズをはさんだことで、サーモンのパサパサ感がなくなり、しっとりとしてボリューム感もいっぱい。ちなみに「マンゴーカリフォルニアロール」も「カナダロール」もメニューにはない品。お店の人とコミュニケーションしながら、自分好みの品にたどり着くべし。

アボカドにサルサソースが
グッドコンビネーションの虎連坊ロール
長年の経験と味へのこだわり
お店には築地から直送の新鮮な魚が豊富にあり、いけすのロブスターや甘エビも登場を待っている。「刺身にも寿司にも焼き物にも合う醤油を」と、だし入りの土佐醤油を使うところにもおいしさへのこだわりが見られる。日本食業界での長年の経験を持ち、おいしい、楽しいメニューをどんどん提供したいと意欲満々のオーナーとメニューを熟知したスタッフ。リッチモンドの新しい集いの場として、これからどんどん人気が出てくることだろう。
(写真・宮本さやか、文・平野香利)
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