バンクーバー市内にあるSolly'sの3軒の店はいつも賑わっている。見ているだけでも楽しい壁のメニューを見上げ、焼きあがったばかりのベーグルや見事なケーキ、ユダヤ式惣菜の並ぶケースを見渡すと、さてさて何にしようかと迷いに迷う。
1994年3月、メイン・ストリートに最初の店ができた。評判の店は2005年には3つに増えた。オーナーのレア・マルコビッチさんは、お婆さんが台所でユダヤ式パンや惣菜を作るのを横でじっと見つめては手伝う少女だった。レアさんのお婆さんからお母さんへと伝わった手書きのレシピは、東ヨーロッパのユダヤ人家庭で代々試行錯誤されては伝えられてきた究極のレシピだ。
おいしいだけではない。ナチュラルで体によい材料にこだわるのも、もともとは家庭料理だったから。機械に頼らず手を使い、毎日新しく作られる品々の風味は、口にした途端ほんわりとした幸福感を呼び寄せる。さらに値段も量も庶民的、アンチックなインテリアと、スタッフからかもしだされる客への気配りが、この店にまた来たくなる理由だ。
伝統的な製法で作られる各種ベーグルは、看板商品。ベーグルにクリームチーズを塗ったシュメアは$2.5〜$3.5。ランチに人気のサンドイッチは$5.95〜10.95。マッツアー・ボール・チキンスープ、ラトケス、クニッシュ、クーゲルなど、ユダヤ独特の料理はとにかく店に行って味わうべし。濃い琥珀色の表面の内部に渦巻く幾層ものしっとりとした生地のシナモンバンは、この店にまた来たくなるもう一つの理由だ。
(取材 高橋百合)
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