「ボガート」という言葉を聞いて、ほとんどの人が連想するのは、あのハードボイルドな名優ハンフリー・ボガートだろう。「ニューヨークのトラディショナルなステーキハウスにはどこも、1930年代から40年代にかけてのボギー的雰囲気が共通してみられると思います。ボガートというレストラン名には、その雰囲気を目と耳で楽しみ、そして舌で味わっていただきたいという思いが込められています」と語るのは、マネジャーのジェイク・コヴァセヴィックさん。
お勧めのメニューはこれ!
バンクーバーダウンタウンからグランビル橋を南に渡たり、ウエストブロードウェイと交差するところにあるボカートは、斬新的なスタイルをどんどん取り入れていくというよりも、古き良き時代から流れるものをさらに洗練させていったステーキハウスという言葉が似合っている。そんなボカートから、お勧めのディッシュをいくつか紹介しよう。
まずアペタイザーとして登場したのは、ビーフカルパッチョ(Beef Carpaccio, 11ドル)。カナダのAAAビーフ*の生スライスにグラナ・パダーノチーズがふりかけられ、ボガート特製のマスタードとエキストラバージンオリーブオイルで軽く調味されている。豆苗の緑色とのコントラストも美しく、微妙なフレイバーが面白い。それからペパーコーンとブランディでじっくりと煮込んだソースが決め手のニューヨーク・ストリップロイン(NY Striploin, 29ドル)、赤ワインの風味が食欲をそそるビーフテンダーロイン(Beef Tenderloin, 30ドル)、リゾットとぺコリーノチーズ とのコンビネーションがたまらないカリフォルニア州バハ産のホタテ貝のたたき(Pan Seared Wild Baja Scallops, 29ドル)などがディナーメニューへのお勧め。ランチメニューからは、チョップバーガー、ラムバーガー(両方11ドル)、バイソンシチュー(16ドル)などがある。バイソンは驚くほど柔らかく煮込まれてあり、適度な辛味のあるソースとよくマッチしている。ポテトはユーコン準州産のゴールデンポテトのもっちりとした仕上がりが非常に美味。
高品質&ヘルシーな食材へのこだわり
ボガートのステーキは、すべて品質AAAのアルバータ牛(なかにはオーガニック牛も)、野菜もほとんどがオーガニック、チキンは地鶏使用というこだわりぶり。地鶏は、味に断然違いが分かると、お客様にも好評だという。サーモンも養殖のものは一切使用しておらず、BC州、アトランティック、アラスカなどからのワイルドサーモンオンリーのメニューとなっている。「『今まで食べた中で最高のステーキだったよ』とおっしゃってくださるお客さまも、価格を見て『安いね』と満足されています。例えば14オンスのビーフステーキと言えば、かなりの大きさになり、通常40ドルはチャージされますが、うちでは32ドルです」と説明するジェイクさん。非常にヘルシーで高品質な食材で調理されたわりには、リーズナブルな価格設定と言えよう。
高品質なステーキを存分に
何かこう書くと、ステーキハウスの老舗のようなイメージが漂ってくるが、ボガートの開業は2003年の5月。固定客が継続的に増えてきたのもここ1、2年だという。オープン以来、ゆっくりと着実に安定したビジネスを展開してきている。
最後にジェイクさんからのメッセージ。
「どのビジネスでも言えることですが、最初の2、3年というのはチャレンジですよね。派手にオープンに踏み切ったわけでもありませんし、1年後には消えてなくなっているというのではなく、ボガートは常にここにあるということをモットーにシリアスに取り組んできました。 『バンクーバーでよいステーキハウスはないかな』という声に、『ボガートがいいよ』と、地元のお客さまはもちろん、観光客の間にも届いていって欲しいですね。もちろん、ローカルの日系の方、それから日本から旅行で来た方たちにも、品質と柔らかさで名高いアルバータ牛、それからアルバータバイソンなんかも日本では珍しいでしょうから、是非味わっていただきたいです。さらにワインとライブジャズを楽しみ、最高のひと時をお過ごしください」
(取材 佐倉ななみ)
*AAAビーフ
カナダビーフの格付け基準で最高級のグレードを示す品質のビーフのこと。
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