ウェストブロードウェーというよりも、トイザらスの向かいといった方が、お子さんを持つファミリーにはわかりやすいかもしれませんね。とにかくバス停の前にあり、子どもが学校に通っている間に買い物やお茶などが出来る便利な場所にあるのが日本語文化学院です。

●リトミックで創造力発揮
日本語文化学院付属にほんごアカデミー幼稚園の特色は、何といってもリトミックを取り入れているところでしょう。リトミックとはスイスの音楽教育家、作曲家であったダルクローズによって提唱された音楽教育のメソッドです。音楽で楽しく遊びながら、子どもの持つあらゆる能力(感じる心、想像力、創造力)を高めるのが目的です。
クラスでは先生と子どもが一緒になって、音楽に合わせて体を動かしています。時にはマラカスで音を出したり、ダンスをしたり。見ていると“自由に表現していいんだな”という気持ちになってきます。こうしてより豊かな感性が引き出されていくのでしょうね。

 

●みんなちがっていいんだよ
ひとりひとりの児童や生徒の個性や能力に適した方法で指導するためにも、この学校では多くのボランティア教師を取り入れています。クラスが終わってからも、こうしたお姉さん、お兄さん先生と遊ぶ子どもたちは本当に楽しそう。
幼稚園では小学科に上がる基礎作りとして、自然、動物、植物、生活など身の回りにある事柄をテーマにして、日本語学習を進めています。『お当番さん』になった園児が代表で挨拶したりワークシートを配るなど、先生のお手伝いをするのも子どもの自信につながります。
「まずは日本語の語彙を増やすことが大事ですね」と話す高木つね子学院長。それには日本語の本の読み聞かせ、日本語で会話することを勧めています。それは親と接する時間でもあります。日本に行ったとき、おじいちゃん、おばあちゃんと話が出来る、日本語が話せることで褒めてもらえる、など日本語を学習している楽しみを教えることも大切だそうです。

●文化体験から日本語の習得
とまあ、園児の話ばかり書いてしまいましたが、日本語文化学院の方では、小学生から高校生までが日本語学習はもちろん、それに加え習字とそろばんも学んでいます。なぜなら文化を体験することによって、生きた日本語の習得が出来るからです。
たとえば習字では、正しい姿勢で硯と墨を使い、少しでも精神統一が出来るような試みをしています。正しく美しい字を、楽しく学んでいきます。そろばんは、指先を正確に使う運動を繰り返すことで脳神経の働きが鋭くなり、右脳が発達し、集中力、忍耐力などが養われ、創造力も豊かになると言われています。電卓に頼らず、暗算が出来たらいいですよね。
低学年と高学年の授業には時間差があるため、兄弟が終わるまで自習室で宿題をしたり、友達と遊んで待つ生徒もいます。“日本語学校に行けばあの友達に会える”というのも、日本語学習を続けていくひとつの秘訣かもしれません。
夕方のクラスは市内のオスラー小学校、夜間の大人クラスはダウンタウンでも行われています。なお、土曜クラスではバトンクラブ、将棋クラブの新しい指導者を募集中とのことですので、興味のある方は学院まで連絡を。

(取材  ルイーズ阿久沢)

 

日本語文化学院・にほんごアカデミー幼稚園
Vancouver Academy of Japanese Culture
#300-1215 West Broadway, Vancouver BC  V6H 1G7
電話 604-619-6221

http://www.vajc.com

 

2009年6月25日発行#27に掲載

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