バンクーバー新報 独占インタビュー

コンサートに先立って、赤西仁がバンクーバー新報のインタビューに答えてくれた。その内容を以下に紹介する。

Q:全米デビュー・アルバム「JAPONICANA」発売おめでとうございます。このアルバムと、その発売に合わせて開催される2012年北米ツアーの魅力を教えて下さい。

A:ダンス、ヒップホップ、ポップなど、いろんなジャンルの音楽が詰まっています。フレッシュで、新しくて、自分らしい。コンサートはエネルギッシュで、ダンスの多いものに仕上がっています。

 

Q:カナダに来るのは初めてですか?

A:初めてですね。カナダは良いところだろうなというイメージを持ってます。

 

Q:JIN AKANISHIのオフィシャルYouTubeチャンネルで、大物プロデューサー、Stereotypesの方々とレコーディングをされている様子を見ました。日本とは全く違う土地で、会話はすべて英語で、プレッシャーのある仕事環境ですね。

A:それほどプレッシャーは感じてないですよ。彼らは、すごく一緒に仕事がしやすい人たちです。友達と一緒に過ごすような感じ。とても才能ある人たちです。

 

Q:米国人プロデューサーと仕事をしている時の、赤西さんの滑らかな英語の発音に感心しました。バンクーバーには、英語を学ぶために滞在している日本人が多くいますが、英語を習得するためのアドバイスはありますか?

A:ありがとうございます。でも、今も学んでる途中という気がしてますよ。一番良いのは、話し続けることだと思います。

 

Q:北米で活躍している赤西さんは、北米で仕事をしている多くの日本人にとって、インスピレーションとなる存在だと思います。北米在住の日本人へのメッセージはありますか?

A:自分が好きなことをすること。Just do what you love.

 

Q:赤西さんは作曲もされますが、ジェイソン・デルーロなど、さまざまなアーティストと共に仕事をする中で、自分の作る音楽の方向性は変わってきましたか?

A:自分らしくいようとしていますが、他の作曲家やプロデューサーからは、もちろん影響を受けます。ジェイソン・デルーロとの曲では、彼が曲の最初に自分の名前を歌って、自分の存在を印象付けてましたよね。そういうのも、かっこいいなと思います。

Q:昨年は、赤西さんがキアヌ・リーブス主演の「47 RONIN」でハリウッド映画デビューするというニュースが話題になりました。撮影はもう終わったとのことですが、どのような経験でしたか?

A:貴重な経験でしたね。キアヌは、本当に一緒に仕事がしやすい人。それからカール・リンシュ監督は、すごく才能がある人ですよ。

 

Q:10年後のJIN AKANISHIはどのようなアーティストになっているのでしょうか?将来のビジョンを教えて下さい。

A:今やってることを、10年後にもやっていられたらと思います。あと、映画監督の仕事にも興味があります。

 

Q:赤西さんの特技はサッカーとのことですが、現在の忙しいスケジュールの中でも、プレーしたり、観戦する機会はありますか?

A:サッカーをする時間は、あまりないですね。でも、時々はサッカーのための時間を作りたいと思ってます。

 

Q:世界を舞台に仕事をされていますが、日本にいる人たちには、励まされますか?

A:もちろん。特にファンにとても感謝しています。

 

Q:これまで日本には馴染みのなかった多くのカナダ人も、これから赤西さんのファンになっていくことと思います。そういう人たちに日本出身のアーティストとして伝えていきたいことは何でしょうか?

A:ただ音楽を楽しんでもらえたらいいです。そして、音楽を通して、自分を知ってもらえたらと思います。

 

Q:カナダのファンへのメッセージをお願いします。

A:What’s up Canada! サポートしてくれて、どうもありがとう。

コンサート

バンクーバー公共図書館やクイーン・エリザベス劇場など、一流の文化施設が集まる地区の一角にあるThe Centre in Vancouver for Performing ArtsでJIN AKANISHI「JAPONICANA」ツアーのバンクーバー公演は行われた。この公演では、前座としてバンクーバー出身の歌手Emmalyn Estradaさんと、フィリピン系アメリカ人の歌手Joseph Vincentさんが登場。熱いパフォーマンスで会場を盛り上げた。
そして、ついに、赤西さんのヒット・シングル「SUN BURNS DOWN」の前奏が始まると、会場は一気にヒートアップし、観客は総立ちに。サングラスをつけた赤西さんが登場すると、大歓声が起こった。赤西さんはダンサー6人を従え、「Tell Me Where」や「Set Love Free」など、アルバム「JAPONICANA」の収録曲9曲を含む、全12曲を熱唱。ダイナミックなビートに合わせたダンスも披露し、観客を魅了した。3月6日に発売されたばかりのアルバム「JAPONICANA」は、赤西さんが「人種や国境関係なくいろんな人に聞いてもらいたい」と語るボーダーレスな作品だ。
先月は、人気女優黒木メイサさんとの結婚を発表し、話題となった赤西さん。踊りながら歌う赤西さんの左手薬指には、指輪が輝いていた。
数々の曲の中でも特に盛り上がったのは、ジェーソン・デルーロとコラボレートしたことで有名な「TEST DRIVE featuring JASON DERULO」と、「Yellow Gold」。また、アンコールでは、日本語の「Seasons」を歌い、ファンへの感謝の気持ちを表した。昨年12月にリリースされたこの曲は、 自分にとって大切な家族や友達、すべてのものに対する愛を歌ったバラードで、赤西さんが日本のファンへ向けて制作したことで知られる曲だ。
今回のコンサートでは赤西さんのトークはほとんどなかったが、最後は「Thank you Vancouver!」と笑顔をはじけさせ、幕が下りる中、観客に深くお辞儀をした。
コンサート終了後も、憧れのスターと時間を共有したファンたちは、興奮冷めやらぬ様子だった。UBCで語学研修中の酒井美紗稀さんは、「バンクーバーに滞在中、たまたま仁くんがこっちに来ることを知りました。コンサートはすごく良かったです。すごくかっこよかったです!」と話してくれた。
ロサンゼルスを皮切りに、バンクーバー、ホノルル、ニューヨーク、サンフランシスコの5都市を回り、「JAPONICANA」コンサート・ツアーは無事終了した。

(取材 船山祐衣)

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