振り返ってみるとこの年、74歳迄に、どれほど数多くの講演会に参加した事だろうか。そして、あらゆる講演会を通し、多くを学ぶ機会に恵まれた。しかし、講演者や主催者にお礼状を書いた事など全くないし、良くて当たり前くらいの気持ちでいた。
 今回、コスモス・セミナーと日系女性起業家協会(JWBA)の共催、日本で活躍する3女性の交流会が開催され、私は無論出席した。共催であり、自分はJWBAの会員であるが、今回は礼状を書かずいられないくらい素晴らしい交流会だったのだ。 「自我自賛」と人が言っても良い。しかし、こんな心温まる話を、こんな空しい心境の時に聞けた自分は幸せだったと思っている。
 自分が常識的知識として知っている事でも、ある心境の時タイミングよく、ふっと他人の口から聞き励まされたり、また本で読んだり、テレビで観ている時に「気付き」を貰う事がある。多分、今回はその状況でもあったかもしれない。しかし、福岡から来加した3女性の貴重な経験と誠意ある生き方、またその行動力には敬服する。特に86歳の湯川久子弁護士の一言、一言には、50年に渡る長い経験がなければ話せない重みがあった。彼女に離婚問題で相談に来た人たちの殆どは、離婚を思いとどまり平和な家庭つくりに専念するようになったと言っていた。暖かい彼女の心からの笑顔が素晴らしかった。

以下、私が感謝をこめて初めて交流会開催世話係りの方に書いた礼状とは…

 昨日の講演会、本当に素晴らしかったです。
湯川久子先生から、人は「あるがままでよい」という言葉を受け次に「因果応報」つまりカルマの法則が仕事を通しても、それが「有る」と言う確証を得ました。
 税理士の藤田ひろみさんには、今の日本の若い世代の労働意欲と実際の働き方について質問し、疑問が解けました。彼女は鋭い時代の観察者であり、たくましい。近所の人の「終わりの無い会話」についていけず。しかし、後にそういう人達と「和」を保って行けるかどうかが、自分の精神状態を図る「バロメーター」となり、日本の今の家族関係、親子関係は「間」に1枚のベールがあるようでぶつかり合えていない。などなど、でも諦めているわけではなく、何時もしっかり行くべき道を探して歩んでいる人、全身に英知を感じさせる。そんな生き方が感じられ、こんなに素晴らしい女性がいたのだと嬉しくなりました。
 オリジナルメディアサービスの大谷鮎子さんからは、何と私でも手に届く素晴らしい健康法『ウォークマラソン』を学びました。
 実は私の子供達は成長し、自分は不自由の無い生活をしながら、突然、ふっと生きる目標がなくなり、死ぬわけにもいかないし…という心境でこの数ヶ月生きていました、老人性欝でしょうか。オペラも、絵画も、読書もすき、よい友達も十分いる、子供も孫達も優しい、18年続けたホームレスの人達への給食のボランティアも終わったばかり、今年、9回目の外国旅行も来月に決まっている。それでも、こんな空虚な気持ち、そんな時に参加した交流会でした。そして、話を聞き会場を出た途端「6キロウォークマラソンを始めよう!」という気になっていました。
この交流会で、私は突然『生きる力』をポーンともらった気がします。何故?
交流会は無論、講演者が主体ですが、縁の下の力持ち、笑顔で入場者を迎えるコスモス・セミナーのボランティア、参加費無料なのにプレゼント(カナダ佐藤製薬提供)とドアプライズ券を全来場者に渡し、中央のテーブルには白いテーブルクロス、花も飾られ準備万端。暖かな空気の流れの中でお話しが始まる。会場の人達の笑顔。コスモス・セミナー主宰の大河内南穂子さんとJWBA前会長の津田佐江子さんがインタビュアーとなり、時間ぎりぎりまで話が弾みました。
 湯川久子さん、大谷鮎子さん著書と藤田ひろみさん提供の本、作者佐々木愛さんの贈呈絵本、JWBA会員有志によるドアプライズ、会場に飾られたコスモス・セミナーからの鉢植えもギフトとなり、最後はこのご縁を結んで下さったJWBA会員斉藤亜弥さんの挨拶で、見事に多くの人達の協力があって開催できた暖かく和やかな交流会でした。今、お陰でこうしてエネルギーを貰い、感謝する人もいることをお知らせいたします。有難うございました。

コスモス・セミナー: www.cosmos-seminar.com
日系女性企業家協会: www.jwba.ca

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これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。