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STD(性感染症)の知識を持つ

 

  STD(Sexually Transmitted disease)、つまり性感染症。カナダは日本よりもSTDの発生率が高く、またバンクーバーはカナダ内でもAIDSが一番多いところだという。STDについての正しい知識は何よりもの予防につながる。今回はダウンタウンで日本語診療を行っている田中朝絵医師にSTDについてお話をうかがった。


<主なSTD(性感染症)>


1 クラミジア(Chlamydia)・・・男性の尿道の中の頚部や女性の性器の中にいる微生物。これらの体内での増加によって症状が起こる。STDの中で最も感染者数が多いが、症状に気付かないことが多いためにどんどん感染が広がる可能性が高い。特に男性は感染してもほとんど症状がでないことが多い。
症状:男性の場合―頻尿、ペニスからの膿など


女性の場合―おりものの異常(異臭、血液が混ざる)、下腹部の痛みなど


* 女性の場合は、急に下腹部に激痛を感じたり、熱がでたりしてエマージェンシーに行くほどの症状がでることもある。また、不妊症になる恐れもある。
 クラミジア感染については男性は尿検査、女性は内診で調べることができる。抗生物質によって対処することができる。クラミジア感染を防ぐだた1つの方法は射精するときだけでなくSEXの最初からずっとコンドームをつけていることだ。


2 ヘルペス(Herpes)・・・口内炎を引き起こすヘルペスウィルスと同じ種類のウィルス。皮膚感染するウィルスで口内炎と同じだが、性器にできるヘルペスははるかに痛みが強い。通常は2〜3週間で治るが、一度感染するとウィルスは体内で生き続け、ストレスや疲れによって再発する。中には一生このSTDに悩まされる人もいる。


症状:性器の周りに水泡や湿疹


* 再発の場合は症状が軽く、症状が出ない場合もあるために知らずに感染してしまうこともある。


 ヘルペスは水泡を調べることによって感染しているかわかるが、水疱が出ていない場合は調べることはできない。ほとんどの場合はコンドームをつけることによって予防できるが、もし水泡や湿疹が性器から離れたところにあったらばんそうこうなどでその部分の皮膚が触れないようにすること。水泡や湿疹がでてから72時間以内に薬を飲めば、症状はより軽くなる。

 また、再発のときは実際に水泡や湿疹がでるまえに皮膚に違和感を感じるのでその時点で薬をのむと症状がでない可能性がある。またあまり繰り返し症状がでるときは毎日薬をのむことで再発の予防、症状の緩和ができる。


一度感染すると、ウィルスを完全に殺す処理方法がないため、特に女性は出産の際にヘルペスに感染している可能性がないか十分気をつける必要がある。出産の際に、水泡があると母子感染してしまうこともあるからだ。


3 コンジローマ(Condyloma/Genital Warts)・・・ヘルペスと同じように皮膚感染するウィルス。日本ではあまり知られていないが、カナダでは人口の20−30%が感染しているといわれる。ヘルペスと違い全く痛くもかゆくもないので手で触れてみないと感染したことに気付かない人も多い。また、これもストレスや疲れで再発する。


症状:性器の周りに小さいイボ


これもヘルペスと同じで完全に治療する方法はなく、1週間に1度の割合で液体窒素または化学薬品で焼きとる方法を続ける。自分でそのイボを触った手で別の個所に触ることのないように気をつける。予防法はヘルペスと同じく感染している皮膚の接触をコンドーム等で避けること。

 またコンジローマは子宮頸ガンを引き起こす原因ともなる危険な感染症なので、女性はとくにPAPテスト(子宮頸ガン検査)を受けて注意したい。


4 AIDSおよびB型、C型肝炎・・・かかることはまれだが、これらは他人の血液等が自分の体内に入ることによって感染する。AIDSは体の免疫力を弱め、死に至る病気で、B型肝炎は急性肝炎、慢性肝炎、肝臓ガンの原因となる。C型肝炎も慢性肝炎、肝臓ガン、肝硬変を引き起こす。これらは血液検査によって調べることができ、AIDSは感染してから6ヵ月後に血液にあらわれるので気になる人は6ヵ月後の再検査が必要。予防はコンドームをつけるほか、注射針やイレズミ、カミソリなど他人の血液のついた可能性のあるものの使いまわしを避ける。


膣炎(Vaginitis)について
 これはSTD(性感染症)ではないが、これも特に女性に多い悩みだ。性器周辺のかゆみやかぶれにはカンジダというカビの一種が原因の場合と、雑菌(BacterialVaginosis)が原因の場合の2種類があり、症状も違う。下着、ナプキンによるムレや、抗生物質のせいで体内のいい菌が殺されてしまい起こる。


*カンジダの場合:おりものが多い、異常(白濁色、固まり)、かゆみと痛み
*雑菌の場合:おりものの異常(黄色、異臭)、かゆみはさほどない


カンジダの場合は、とりあえず市販の薬でも対処できる。CANESTINやMONISTATなどがあり、またこちらの薬局ではフォーマシストがいろいろと相談にものってくれる。雑菌の場合は、抗生物質が必要なので医者にいくのが一番。いづれにせよ、検査でカンジダか雑菌か調べてもらえる。カンジダの予防法は、とにかくムレないようにするのが一番なので下着やナプキン選びも大切だ。また体内にいい菌を取り込むように納豆、ヨーグルト、チーズなどを食べるのもいい。薬局で買えるL’acidophilusもおすすめだ。もし、治療や予防をしていても繰り返し症状がでるようだったら、パートナーとの確認も必要。男性にはあまりみられないが可能性がゼロではない。


SEXおよびSTDに対する意識


 STDは男女とも感染の可能性があるものではあるが、女性の方が感染したときの症状は重く、さらに問題も多い。不妊症や、PID(Pelvic Inflammatory Disease-骨盤内炎症性疾患)になる可能性もあり、とくにクラミジアは卵管にいってしまうと完全に不妊症となり、時には死に至ることもある。

 カナダではカップルが付き合って6ヶ月ほどはきちんとコンドームを使用して、その後2人そろってSTD検査を受け、感染が見られないときに初めてピルのみの使用を始めるというステップを取っているひとがいるという。

 特にカナダ人女性のSTDに対する予防意識は徹底しており、SEXに対する意識は厳しいという。女性だけでなく男性も自分自身とパートナーの為に正しいSTDの知識と次のステップを守り、STDに悩む人が増えないようにしてほしい。


@SEXをするときには必ず最初からコンドームを着用すること
Aコンドーム無しでのSEXをするときには事前にパートナーと一緒に病院に行き、STDに対するすべての検査を受け ること
B自分が感染していることを知らない  STD感染者が多くいることを認識していること
 (本人が「自分は感染していない」というのを鵜呑みにしてはならない)
C性器の周りに異変があったり、少しでも様子がおかしいと感じたらすぐに医者 の診察を受けること
DSEXに対して「NO!」と言えることを常に念頭に置いておくこと


<田中朝絵医師インフォメーション>
Down Town Care Point
1175 Denman Street
604-681-5338
毎週月曜・水曜日の午後2時〜5時(祝日はのぞく)
*Down Town Care Pointと隣の薬局では、キャッシュレスで海外旅行保険が使えます。(ただし、日本人受付がいるときに限ります)
田中医師勤務場所・時間は604-601-9628でも確認できます