2016年11月17日 第47号

泉康雄

 どうも季節はずれである。というのも10月初めに二度ほど雪が降った時、今年の冬は早い、と予報されていたし、周りの人たちもそのことを口にしていたからだ。厳しい冬がいよいよやって来ると覚悟をしていた。ところがさして寒くもならない。何しろどうも変である。

 そんな頃、所用でカムループスに行かねばならないことになった。いつになっても雪は降らないし、この調子であれば車を運転して行ってもいいかな、と思い始めた。大体、飛行機という乗り物には少々アレルギーで、できることなら避けたいと思っている。何をするにも地に足がついていないのはどうも不安で落ち着かない。たとえタイヤでも、とにかく地についている方がよい。「飛行機より車の事故で亡くなる人の方がずーっと多いのですよ」と言われても聞き流す。カムループスまでドライブとなると少々遠いけれど、カルガリーに出てロジャースパスを通り、7時間もドライブすれば着く。ワイフにそのことを言うと、自分も一緒に行くから、ついでにオレゴン州のポートランドまで行こうということになった。ポートランドには娘夫婦と二人の子供がいる。孫を見て、帰りはアメリカのハイウェイを利用すれば雪の心配もない、ということで話がまとまった。

 カムループスでの仕事を終えてから、雨のバンクーバーを通過して、ポートランドに向かった。ポートランドは季節を問わず、いつ訪ねても美しい町である。西海岸の森林地帯を切り開いてできた町であると聞いている。だからポプラ、楡、杉などの立派な木が多い。老木もしっかりと大地に根を下ろし、自ずから歴史を感じさせる大樹である。散歩していても、家々が緑で囲まれ鬱蒼としている。娘たちの家の裏庭にも竹藪があり、三種類ほどの楓と、杉、松が所狭しと寄り添って立っている。小さな車庫の片側には藤やブドウの蔓が軒から屋根に向かって自由に伸び、隣家からは塀を超えてプラムの木が覆いかぶさっている。前庭にも左右に背の低い木があり、苔が所々に見える。周りの家も皆このような調子だ。緑が多いと、静けさと落ち着きを感じさせ、何となく気が休まる。アルバータとはまた違った趣きで、僕たちが時々訪ねたくなる理由でもある。

 もっとゆっくりしたいところであったが一泊だけして、スポーケーン経由で合計4泊5日、3千キロを走って戻ってきた。戻ってきてもレスブリッジは相変わらず晴れていた。それどころか17・8度になっている。まるで初夏の陽気だ。ゴルフ場には冬眠をまぬがれたゴルフ好きが嬉々として楽しんでいる。僕もクラブを持ち出して、アルバータではめったにない11月半ばのゴルフを楽しむことにした。

 

 

 

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