2017年1月12日 第2号

 新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 今年は明ける前から大雪に見舞われ、各地では除雪作業に追われている方も多いのではないでしょうか。

 今回はこんな時期だから気にかけてほしいことについてお話をしたいと思います。

 

1. 除雪作業

 除雪作業をする際、一度ストレッチや深呼吸を大きく吸ってから行い始めてください。外出時は車のスリップ事故や歩行時の転倒事故などを起こしやすいと気にかけていますが、ちょっとした除雪作業で命を落とすような事故が起こるとは誰も考えていないものです。気をつけてください。

 毎年、除雪作業中に数十名、心臓発作などで命を落とされる方がいます。暖かい室内から急激に零度以下の屋外で除雪作業を行なって、心臓発作を起こし、誰にも気づかれずに亡くなることがあるのです。たいして寒くないから大丈夫と思っていたり、たいした作業をするわけではないからといって、気軽に玄関やドライブウェイの雪かきをしに出かけて大事故に至ることもあるので、常に一人でいるときは携帯を持って、または家族が家にいるときは必ず一声かけてから外に出ることをオススメします。

 心臓発作でも対応処置が早ければ命を落とすこともありませんので、予防の一環として気にかけると良いでしょう。

 

2. 年越し蕎麦

 日本の風習に伴い、年越しにお蕎麦を食べられたと思います。蕎麦は喉越しがよく、お年寄りや小さいお子さんも気兼ねなく食べることができるので食卓に上がると思いますが、その前に少しだけ気をつけてほしいことがあります。

 蕎麦は大変アレルゲンが強く、食べ物アレルギーを発症させやすい食べ物なので、できれば子どもには、4〜5歳ぐらいから蕎麦を与え始めるのが良いでしょう。一般に10割蕎麦として売られている物はほとんどなく、2割が蕎麦粉、8割が小麦粉を使用して作られている2ー8蕎麦が主流になっています。そのため蕎麦アレルギーに気をつけるだけではなく、小麦粉アレルギーまたは小麦粉に敏感な方にも気をつけなければいけない食べ物となっています。

 

3. おせち料理

 年越し蕎麦に伴い、おせち料理にも気をつけてほしいものがあります。縁起物として顔をのぞかせている海老。

 海老は大変おいしく、ここカナダでも簡単に手に入る食材なので、おせち料理に欠かせない一品なのですが、これも大変アレルゲンの強い食材です。カニ、シャコやロブスターなど硬い甲羅で身を守っているものが甲殻類と呼ばれ、海老もこの中に入ります。これらの甲殻類アレルギーは一般のアレルゲンによるものと違い、蓄積されてアレルギー症状を発症します。2〜3歳の時に食べさせてもアレルギーを発症させなかったから大丈夫だろうとか、大好物だから食べさせているという方もいますが、アレルギー発症に関しては、どのタイミングで発症するのかがわからず、それに加え運が悪いとアナフィラキシーショックを起こし、早急にエピペンなどの応急処置用具で対応することができないと死亡するケースもあります。これも気をつけたい食材のひとつです。

 蕎麦も甲殻類アレルギーに似て、蓄積型のアレルギー発症性を持っているので、常にほどほどに沢山食べ過ぎない程度に摂取するのが良いでしょう。

 今月は寒い月になると天気予報で騒がれています。食べ物と適度の運動を心がけてこの寒気をきりぬけましょう。

 


草野明美 自然医学博士/Naturopathic Doctor

1989年にカナダオンタリオ州に父親の転勤で引越しをし、2002年にトロントにあるCanadian College of Naturopathic Medicine にて修業後、2年ほどバンクーバーの指圧学校で講師/カウンセラーとして自然治癒力の素晴らしさを教えていたが、日本でも同じことができないか一度帰国。その後日本で結婚、出産をし2013年7月に再度家族を連れてバンクーバーに戻ったあと、カルガリーMarket Mall内のNutrition Houseにてサプリメント健康アドバイザーとして勤務。現在は2児の母としてバンクーバーに在住。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。