![]() 落ち着いた語り口で日加関係を説明する石川大使 |
今年9月に着任した石川大使が、12月8日から4日間の日程でBC州を公式訪問した。
ポイントBC州副総督への挨拶のほか、ビクトリアおよびバンクーバー市長との会見、州政府の閣僚との意見交換を行い、UBCも訪問。また当地における日本のプレゼンスという観点から、カナダのラジオ放送を通じ、英語と仏語で日加関係について語った。
さらに外交面だけではなく、日本語学校を訪れるなど、当地の日系コミュニティとの関係にも配慮しながら、精力的に日程をこなしてきた。
最終日には日系メディアとの会見が設定され、最近の日加関係についての説明の後、質疑応答が行われた。以下はその要約。
最近の日加関係について
先月横浜で開催されたAPEC首脳会議に合わせ、日加首脳会談が行われた。菅総理、ハーパー首相とも積極的に発言され、幅広い話題が話し合われた。最終的に、自由と民主主義という共通の価値観を持つ日本とカナダが、これから何ができるかということで、共同コミュニケに署名された(「政治・平和及び安全保障協力に関する日加共同宣言」、以下の外務省のホームページで参照可能http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/canada/visit/1011_sengen.html)。
また、グローバル化が進む中、忘れられがちなベーシックスなこと―どうすれば、ひとりひとりが幸せになれるかを考えること―に対し、個人の自由を尊重する、円熟した議会制民主主義の下で政治が行われている両国の協力は、とても意味があることと再認識された。
貿易・投資関係について
両国の経済関係は緊密な関係にあり、例えばオンタリオ州では日本企業による自動車製造が挙げられ、西部諸州ではエネルギー資源開発が重要になってきている。また平原州は日本が輸入している小麦、豚肉やカノーラ油の重要な供給地となっている。さらにカナダのボンバルディア社の航空機が、日本の地方路線で活躍していることや、同じくCAF社のフライトシミュレーターが、日本の航空会社のパイロット訓練に使用されていることなど、その経済関係は広い分野にわたっている。この上に立った政治的な交流の活性化が実現できたことは、両国関係にとり好ましいことである。
カナダの印象
皆が温かいというのが第一印象。仕事上では以前から縁があり、2000年の九州・沖縄サミットでは、現在の駐日カナダ大使のジョナサン・フリード氏と協力し、最初のドラフトを作成する作業に当たったのだが、非常に勉強になり、また楽しかった思い出がある。
この時日本は首脳声明の中で、グローバル化に対する文化の多様性の重要性を打ち出したかったのだが、この発想を強く支持したのがカナダ(クレティエン首相)と、フランス(シラク首相)だった。
今回の赴任に当たり、この文化の多様性を重視する政策が、どのように実現されているかを見るのが楽しみのひとつ。
内向き志向が強いと言われている最近の日本の若者に一言
夢を見ていただきたい。最近は青年海外協力隊に応募する人も激減しているという話を聞いて、驚いている。これは今の満ち足りた時代の反映なのかも知れない。そういった流れの中で、私は常々「夢」を、「何々したいな、という気持ち」を持っていただきたいという話を、子供たちにしてきた。
また話をする側としては、自分たちが育ってきたのとは違う環境に慣れている若者との間に、意思疎通のギャップが生じないように、うまく話をしていくことが自分の課題と認識している。
(取材 平野直樹)
![]() 挨拶する企友会会長の猪田雅公氏 |
![]() サットンプレースホテルの会場には約110人の参加者が集まった |
![]() あでやかな着物姿で司会進行を務めた 大和奈緒美さん |
![]() (左から)昨年の特別賞を受賞した田村徳樹氏 と、今年の受賞者、中村正剛氏と山本美穂氏 |
![]() 昨年日系社会功労賞を受賞したアンディ 九十九氏(左)と、桑原誠也氏 |
![]() 企友会日系アワード大賞を受賞した別所和雄氏と智子夫人) |
![]() ギター奏者の中島有二郎さんとフルート奏者の小西千恵子さん |
12月12日、毎年恒例の企友会主催、日系ビジネスアワードクリスマスパーティが開催された。ヨーロッパ調の優雅な雰囲気が漂うダウンタウンのサットンプレースホテルの会場には約110人の参加者が集まり、食事や会話を楽しみながら、2010年を振り返った。
企友会特別賞に中村正剛氏と山本美穂氏
企友会会長の猪田雅公氏は開会の挨拶の中で、企友会の重要な役割の一つとして、日系コミュニティとカナダ社会の架け橋となることを挙げた。まさにそれを体現しているのが、今年度の企友会特別賞を受賞した中村正剛氏と山本美穂氏だ。
虎コーポレーション株式会社・代表取締役社長の中村正剛氏は、2008年にバンクーバーのダウンタウンに炙り寿司のMikuレストランを開業。日本の良さとバンクーバーの良さを融合したレストランは、現地の人々から大きな支持を得ている。
また、フィルム・メーカーになる夢を叶えるため、2004年に単身渡加した山本氏は、2009年に美術監督としてレオ・アワードにノミネートされた。さまざまな撮影現場で働く傍ら、プロデューサーとして、ダウンタウンのイーストサイドで行方不明になった女性たちについてのドキュメンタリー映画を製作するなど、コミュニティの中で活躍し続けている。
日系社会功労賞に桑原誠也氏
日系社会功労賞を受賞したのは、1998年から2009年まで、11年間にわたって桜楓会の会長を務めた桑原誠也氏だ。桜楓会は退職移住者の親睦団体として 1985年に創設された。会員は、創設時には約20世帯だったのが、現在は、122世帯、192名。
日加ヘルスケア協会などと協力し、会員の健康保持のための啓蒙活動にも力を入れている。桑原氏は受賞の挨拶の中で、「たくさんの方々の支えがあったから、こんな立派な賞をいただきました」と感謝の言葉を述べた。
企友会日系アワード大賞に別所和雄氏
バンクーバーのビジネスシーンで、今年度および過去に最も活躍した人に贈られる企友会日系アワード大賞。今年度の大賞に輝いたのは、メープルファンツアーズ社長の別所和雄氏だ。
1981年に設立されたメープルファンツアーズは、現在では、バンクーバーで最も歴史のあるカナダ専門旅行会社の一つ。別所氏は、Canadian Inbound Tourism Association (Asia Pacific)の副会長や、日加商工会議所の理事も務め、地域に大きく貢献している。
挨拶の中で別所氏は、仕事を通して出会った多くの人たち、そして大きな支えとなってきた智子夫人への感謝の気持ちを表し、今後もさらに貢献できるよう努力していくと語った。
日系ビジネスアワード授賞式終了後は、在バンクーバー日本国総領事伊藤秀樹氏の音頭で乾杯。参加者は、ギター奏者の中島有二郎さんとフルート奏者の小西千恵子さんの生演奏を楽しみながら、和やかなひとときを過ごした。そして最後は企友会副会長の松原雅輝氏が、ユーモアあふれる挨拶で、今年最後の企友会のイベントを明るく締めくくった。
(取材 船山祐衣)