2010年
バンクーバー冬季オリンピックに向けて!



2006年10月05日号にて掲載






「2010年は大きな達成感と祝福の時が待っている」
コリン・ハンセンBC州政府経済開発大臣が語る




 ブリティッシュコロンビア州経済開発省のコリン・ハンセン大臣が、9月28日、フェアモントホテルバンクーバーで開かれたバンクーバー商工会議所主催の午餐会にゲストスピーカーとして出席。BC州経済の現在と将来について語った。記者団からは、アジアパシフィック関係、2010年オリンピック関連担当も兼任している大臣に最近のオリンピック関連についての質問も相次いだ。


BC州経済について力説する、コリン・ハンセンBC州政府経済開発大臣


BC州経済

 「今日の劇的な経済発展は否定しようのない事実である」と近年好調のBC州経済を表現した。「しかしこれは将来的展望・指針とそれに向けた努力が実を結んだ結果である」。BC州政府が2001年以前、それまで低迷していた経済を立て直すべく掲げた明確な展望が実現。今やBC州は旅行、就職、生活、投資とどの面においても最適な都市として認識され、ビジネスチャンスも多くなった。03年から投資額も貿易額も増加。フルタイムの求人が増え、パートタイムは減少。数字上では経済的に急成長を遂げている中国をも上回ると力を込める。

 これから必要になるのはこの好調な経済を持続させること。そのためBC州政府ができることは、我々がどこに向かっているのかというはっきりしたビジョンを持つ、専門家に意見を聞く、パートナーシップ・同盟提携を結ぶ、そして自らの達成を祝うなどの項目を挙げた。

アジア・太平洋地域との関係
 「アジア・太平洋地域との関係はBC州の将来への鍵となる」とアジアとBC州の関係を語る。アジアの4都市に4人を派遣し、BC州代表として市場開拓を行う計画をしている。さらに、質の高い技術者を受け入れるための移民プログラムProvincial Nominee Program(PNP)の推進と移民投資家をBC州に呼び寄せるための努力を行っていく。そのためには連邦政府との連携も不可欠であること、そして何よりアジアがBC州にとって強力なパートナーであることを強調した。

労働力不足解消に向けて

 「現在BC州では将来的に労働力不足が見込まれていて、それを解消する方法を模索している」。この先10年の間にBC州では100万を越える新規求人が見込まれ、その間の新卒者を見込んでも約30万人もの労働不足に陥る。その解消方法としてPNPの拡大と海外からの短期滞在労働者の受け入れなど、現在の好調な経済を衰退させない努力が必要である。「もちろん、カナダ国内での労働力確保のために若い世代の職業訓練や、各業界での職業訓練プログラムにも力を入れる計画がすでに進んでいる」と将来の労働力不足解消への展望を語った。

2010年オリンピックがもたらす経済効果
 「ここ最近、メディアをにぎわせている予算不足問題について、ここで説明するつもりはない」とし、「ただ言えることは、我々は決められた予算内で、スケジュール通りに進行している」と順調ぶりを強調した。

 オリンピック予算は6億ドルを計上しており、その予算内で納めること、オリンピック関連事業に関する予算については「その定義によるだろう」として、ただ「2010年のオリンピックによる利益はその経費をはるかに超え、短期長期効果を合わせて100億ドルが見積もられている」とした。世界に対する宣伝効果も絶大で、今年開催されたトリノ冬季オリンピックを例にとり、約3000万ドルの宣伝料に匹敵する効果があると推算。

 最後に、BC州にとって、これまで取り組んできた経済振興政策、移民政策、オリンピック事業など全てにおいて、「2010年は大きな達成感と祝福の時が待っている」と締めくくった。

スピーチ後の記者会見で

 スピーチが終わった後、記者団に囲まれたハンセン大臣に多くの質問が浴びせられた。

 オリンピック予算内の1億7500万のセキュリティ予算について十分なのかとの質問については、「現在検討している。しかし悲観はしていない」と答えるにとどまった。

 最近連邦政府が出した旅行者の税金還元制度廃止について、BC州ツーリズムにも大きな影響を与えるのではないかとの質問には、「これについては連邦政府と歩調を合わせつつ、BC州・カナダが世界から訪れたい街として選ばれるような市場開拓努力をしていく必要がある」と述べ、そのために税金を有効利用していく方法を模索中であると答えた。また、この政策がオリンピックに与える影響については「オリンピックを単なる27日間のイベントとしてではなく、これをきっかけにBC州のツーリズムを盛り上げていく政策が必要」として、特に関連性を明確にはしなかった。

 労働力不足を外国人労働者で補う政策について、建設工事関係労働者を優先するのかという質問には、現在最も必要としている業種が建設工事現場であることは間違いないが、連邦政府と連携して将来的に不足すると思われる幅広い職種のリストアップと迅速なビザ手続きについて検討しているとした。さらに工事現場労働者などが時給4ドルの格安労働力として扱われているという非難について、「移民者であろうと、短期労働者であろうと、全てBC州の労働基準が適用されなければならない」として、「そのような訴えがあった場合は、雇用主が外国人労働者を公平に扱っているかの追跡調査などを行っていく」と、これから労働者不足が深刻になるに連れ、問題となる外国人労働者の労働基準について言及した。

(取材 三島直美)