SPECIAL 2009
2009年7月23日 第30号 掲載
![]() この2年間、東京事務所を1人で支えてきたサルスバーグ氏。丸の内の新事務所への移転を機に、さらに充実したサービスの提供を目指したいと語る |
在日ブリティッシュ・コロンビア州政府事務所が東京に開設したのは2007年7月。ほぼ2年が経ち、2010年2月にはオリンピック開催という絶好の情報発信の機会も得ることから、もう一度アジアに重点を置いたBC州政府の経済政策を知ってもらうというのが、今回の在日BC州政府東京事務所代表アブロム・サルスバーグ氏の一時帰国の目的である。
今、BC州政府が力を入れている分野、日BC州間の経済発展への拠点としての役割、将来への展望など多岐にわたり聞いた。
日本・BC州ビジネスの橋渡し役に
BC州政府東京事務所の役割は、日本・BC州相互のパートナーシップの発展、BC州への投資・貿易の促進、在日カナダ大使館との連携による日本ビジネスの支援が大きな部分を占める。
東京事務所の正式名称は、British Columbia Trade and Investment Office。日本とBC州との経済活動の活性化を促すための橋渡し役が大きな役割だ。「基本的には、BC州の製品を売り込むというのが最大の目的です。ただ、技術やアイデアが日本市場や企業と合えば、売り込みだけではなく共同開発や共同研究など、いろいろな面からアプローチして可能性を伸ばしていくというのも我々の役目です」
2年前、東京を含めアジア6カ所にBC州政府事務所が開設した。2カ月前にはバンクーバーダウンタウンにアジア・パシフィック・ビジネスセンターも開設。BC州政府の掲げる『アジア・パシフィック・イニシアティブ』の拡大に向け、本格始動した。その中で、日本市場はBC州にとって貿易額2位というだけでなく、技術協力、多方向貿易の拠点として大事な役割を果たすと考えている。
ビジネス市場としてのBC州の魅力
日本から見て、BC州はビジネスにおいてどのような魅力があるのか。これは、BC州が現在最も力を入れている分野とも重なるとの手ごたえを感じている。サルスバーグ氏は、「日本ではやはり代替エネルギーへの関心を示すビジネスプランが多いですね。それは、BC州政府が力を入れている分野でもあります」と話す。
BC州が持つ代替エネルギー技術とそれを発展させる可能性の高いところが日本企業にとっては魅力という。日本のこの分野における最先端技術も同時に活かせ、BC州市場が果たせる役割が日本側の意図と合致するところに期待がかかる。
次世代ビジネスへの焦点
従来型の観光業、林業、天然資源業とともに、現在BC州が強化している分野が、代替エネルギー、ライフサイエンス、ニューメディアである。
代替エネルギーでは、風力、潮力、マイクロハイドロなどを含むクリーンエネルギーや、水素燃料電池、バイオエネルギーの開発などで、日本側との技術協力などを推進しながらBC州をアピールする。
ライフサイエンスでは、高いバイオテクノロジー技術のプロモーションはもちろん、今後は機能性食品やヘルシー食品を含めたアグリフード分野でも、日本企業とのパートナーシップも視野に入れながらさらに力を入れていく。
ニューメディアに関しては、ゲーム業界、アニメーションなどは、BC州で急速に成長してきた分野でもあり、日本の高い技術とマーケティング力を利用しながら双方向のビジネス展開を模索していく。
これからの日本とBC州の関係
「今後、日本とBC州間はこれまで以上に強力な関係になっていくと思います」とサルスバーグ氏は語る。これまで15年間に渡り、日本とBC州との関係発展に関わってきた経験からその思いは人一倍強い。
今後日本がさらにBC州に興味を持つ可能性について聞くと「あると思います」と明言する。「この10年間、ほとんど両国はお互いに目を向けていない状況が続いていましたが、それでもずっと良い関係を保ってきました。日本とBC州はビジネスについての考え方が似ています。お互いWin-Winの方法を模索していくというところです。今後は、さまざまな分野で協力し、お互いが発展していける関係をさらに強化できる可能性は大きいと思います」
そして、これからは双方向間だけではなく、多方向ビジネスの可能性も強化する。アジアへのビジネスノウハウを持つ日本、北米への玄関口として発展してきたBC州こそが北米とアジアをつなぐ拠点としての役割を担っていけると強調する。
「BC州は北米市場への、日本はアジア市場へのゲートウェイとして、日本BC州間という双方向だけではなく、広角的な役割を、両事務所でなければ果たせないと思っています」
アジア・パシフィック・ビジネスセンター
BC州から日本へのビジネス展開の手助けをする拠点は、アジア・パシフィック・ビジネスセンター、日本からBC州へは在日BC州東京事務所である。
(取材 三島直美)
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