SPECIAL 2009
2009年7月16日 第29号 掲載
![]() スピードスケートのデモンストレーションに拍手を送る両陛下(写真 高橋清) |
![]() 先住民族から歓迎のドラム演奏を受けられる両陛下(写真 高橋清) |
![]() 青いはっぴ姿で歓迎の太鼓を披露した『寺太鼓』のメンバー(写真 高橋清) |
![]() (左より)在加73年の小久保栄子さん(92)と在加69年の武内房子さん(90)。武内さんは終了後「近くで拝見させていただき、カナダに住んでいて良かったです」と元気に語った(写真 高橋清) |
![]() 日系のいとこ3人。トレバー浜口くん(右側)はこの日、ホッケークラブの仲間と一緒に両陛下に記念のピンを差し上げる大役を仰せつかった(写真 高橋清) |
ブリティッシュ・コロンビア州ご訪問先
7月10日(金) |
カナダ東部の訪問を終えられた天皇皇后両陛下は7月10日午後、トロントからバンクーバー国際空港に到着され、2010冬季五輪スピードスケート施設リッチモンド・オーバルを視察された。
2時間前から集まった観衆
両陛下ご到着予定の2時間前、オーバル屋外の広場はすでに、両陛下のお姿をひと目でも拝見したいという人たちでいっぱいだった。リッチモンド市からは、約500人にこの日の招待状が送られたとのこと。日系コミュニティーが用意したマイクロバスでやってきた人も多かった。
照りつける日差しの下、傘を広げたスティーブストン在住の小久保栄子さん(92)は「皇室のニュースはテレビで見ています。今日の日を楽しみにしてきました」と話した。浜西マサヨさん(85)は妹とその曾孫を連れてきた。中には、2004年に高円宮妃殿下が来晩されたときに配布された日の丸の小旗持参の人もいた。
観衆にお言葉をかけられた両陛下
歓迎式典ではリッチモンド市長マルコム・ブローディー氏が同市に貢献してきた日系人に感謝の意を表した。引き続き、青いはっぴ姿の『寺太鼓』が和太鼓を披露。サイレンの音とともに先導のオートバイが到着すると、あたりは緊張感に包まれた。そんな中、車から両陛下が降りられると、観衆から「こんにちはー」と言う幼い声が響き渡り、和やかな笑いが起こった。
ブリティッシュ・コロンビア(BC)州首相ゴードン・キャンベル夫妻にエスコートされた両陛下は、在バンクーバー日本国総領事大塚聖一氏夫妻、福田康夫前総理らと共に、マスキアム族長老ラリー・グラント氏から歓迎のセレモニーを受けられた。
このあと建物までゆっくり歩かれながら、時々立ち止まって参列者にお言葉をかけられた両陛下。陛下から「日本からですか。こちらで働いているのですか」と話しかけられた金沢満寿美さん(30)は、「もうびっくりしました」と興奮気味に感想を述べた。皇后陛下と握手した人たちからは『お元気で』とやさしいお声で話された」「しっかりと手を握っていただいた」「心臓がドキドキして今でも夢のよう」との声が聞かれた。演奏を終えた『寺太鼓』のダグ・マスハラさん(日系三世)は陛下から「オリンピックでも演奏するのですか」と聞かれ、びっくりしながら「たぶん」と英語で答えたという。
現地に住む日本人や日系人の生活に、関心を寄せられる両陛下のお心づかいが見られた一面であった。
スケート・デモをご見学
場内では元オリンピック・メダリスト、クレア・ヒューズさんから施設の説明を受け、カナダ五輪代表選手シャノン・ランペルさん(24)とニコル・ガリンドさん(20)によるスケートのデモンストレーションをご覧になられた。
両陛下が再び屋外に出られると、観衆から拍手が沸き起こった。広場で歌ったリッチモンド市代表小学生による合唱団の中には、日系人の吉武里奈ちゃん(11)もいた。会場を後にする両陛下に向かい、観衆の中から「サヨナラ」と日本語で言ったのは、アイルランドから旅行中のウィリアム・モアーさん。これを受けて皇后陛下が「ありがとうございます」と返事された。1953年に日本に行ったことのあるモアーさんは、顔を紅潮させて「貴重な体験をした」と語った。
このあと両陛下はバンクーバー国際空港から、チャーター便でビクトリアに向かわれた。
(取材 ルイーズ阿久沢)