SPECIAL 2008
2008年3月27日 第13号 掲載
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![]() いきいきとした表情で語るきくちゆみさん |
![]() ゆみさんの話にひきこまれていく参加者 |
食、健康、平和活動や環境活動など幅広い分野で、千葉県鴨川を拠点に活動しているきくちゆみさん、森田玄さん夫妻。2月24日、ピース・フィロソフィー・センター、タマ・オーガニックライフ、オーガニック・ライフサークルの共催のもと、大盛況に終わったバンクーバー日本語学校で行われたきくちゆみさんの講演内容を紹介する。たくさんの質問で盛り上がった森田玄さんの健康に関する講演は、次週後編にて紹介する。
Follow Your Heart!
私がやったことっていうのは「ベリーズに自然保護区を作りたい」という手紙を書いただけなんですね。そこから、今日まではずっとノンストップ。手紙を書いてからはひとつひとつが奇跡の連続なんです。なぜ、私が今日最初にこの話をしたかと言うと、私はただ手紙を書いて送っただけで、あとは全部いろんな人が入ってきて、今日のイベントだって乗松さんやさゆりさんがやろうと言ったらいろんな人が手伝ってくれているように、思い立って一歩足を踏み出したならば、もうそこには仲間がいっぱいいるのね。一歩踏み出したら、もうやっている人とか、同じような考えの人とか、その道の先輩とかたくさんいて用意ができてる。いろんなサポートをもらえて、それをずっと自然にフォローしていたら、ここまで来ちゃったんですね。
前の仕事を辞めるときもまったく迷いがなかった。収入のあてもないし、保証もないんだけども、「自分のハート、本当にやりたいことをフォローしていれば生きていける」とずっとそのときから思っています。いつも何かやりたいと思うときは、お金も何にもないんだけども、結局いろんな人の助けがあってできています。だから本当にFollow your heartって言うか、自分の心に正直に生きることの大切さって言うのかなあ。
今、こうやってここに生きていること。それが奇跡
今日のテーマ「自分を癒す 地球を癒す」にあるように、今私たちが生きているこの地球は、環境問題でも戦争のことでも、すごくギリギリのところまで来ていると思うんですよ。それに気がついてから、いろいろ調べれば調べるほど絶望的なんです。実際にどの環境の科学的データを見てもよくなってないんですね。オゾンホールは毎年大きくなっていってるし、温暖化も止まりそうにないし、戦争は広がってるし、そこで使っている劣化ウランというのは放射能を撒き散らして、全世界にその粒子が回っています。一日100種類くらいの種の絶滅があるし、その一方で金持ちはますます金持ちになって、貧乏人がすっごい増えてて、今日一日でまた5万人くらいの子供が死ぬんだよね、食べ物がなくて。そういう地球にいるんですね。どんどん状況は悪くなっていって、確かに絶望的ではあります。
なのに私は絶望してなくていろいろやっているのは何かというと、「今生きてる!」ってことが奇跡なんですよ。今こうやって生きて出会って、このこと自体がすごい奇跡で。私自身が生まれる可能性っていうのは、ホントに何十億分の一。生きてるってことはやるべき仕事とか、使命というとおおげさだけど、この地球で何かやるべきことがあったから来たんだなと思う。地球は滅びるとかいろんな話が出回ってるけど、本当にそうかもしれない。そうかもしれないけど、そのときまで一生懸命生きたらいいじゃないですか。人間いつかは必ず死にます。そのときまで、自分ができることを心をこめてやっていけたらいいなあって思うんですね。本当に自分の心にしたがってやったときに、必ず助けが来ます。私には本当にそんなパワーはないんだけども、素直に心にしたがってやってきたら、やろうと思ったことのほとんどのことが実現してるんですね。
自然が子育てしてくれる
ハーモニクスライフセンターというのは、私と玄さんが住んでいる築200年の廃屋です。その江戸時代の古民家を私と玄さんとふたりで手直しして住んでいます。(スライドを見せながら)私たちはここでお米を作り、四季折々の野菜を育てています。山の中なので、全部段々畑、棚田なので機械が使えません。基本的にすべて手作業です。これが毎年恒例の玄米の餅つき大会。7歳と6歳の子供たちはいつも表で元気いっぱい遊んでます。子育ては、私、ご飯作る以外何にもしてないんだけども、自然が子育てしてくれてるって感じですかね。
日本の田舎ってみんな里山から下りて、そこらじゅうに空き家があるんですね。私が住んでいる鴨川も過疎が一番の問題で、若い人も仕事がありません。農業では食べていけないので、みんな都会へ勤めに出ちゃうんですよね。不便な山間地農業は日本では今滅びようとしています。今やっている70、80代の人たちが亡くなったら、その次の世代の人たちでやる人はほとんどいないでしょう。日本の環境を守ってきたのは、山間地農業なんですね。山間地の棚田とかが山の保全、水の保全や浄化とか、そういうのを全部担ってたんです。だからそれがなくなったら日本はボロボロになるなと思って、この5年、10年以内に、私たちみたいに半分農業やって、半分何かやるみたいなのを流行らせて、もっとたくさんの人たちに山に入っていってもらいたいなと、それが次なる計画ですね。
これが日本のスピリットだ!
こういう暮らしをして今10年経ちましたけども、いいことばっかりだったですね。たとえば健康。家族そろってむちゃくちゃ元気なんですよ。病気ももちろんするんだけれども、簡単な家庭でできる手当てで、それ以上悪くならないんですね。この間子供が虫歯で歯医者に行ったんですけど、10年間で初めての医療費を出費しました。それまでの医療費はゼロ。そういう意味で経済的にも助かるし、健康にもとってもいいですし、それから精神的満足感ていうんですかね。
みなさん田植えをしたことがありますか?私は10年前に初めてやったんだけど、土の中に裸足で入って稲を植えたときに、天と地が私の中を突き抜けて回るんです。びびびびって下からエネルギーがきて、上からもぼーっときてね、ぐわーんって回るんですよ。で、「これが日本のスピリットだ!」と思ったんですよ。田植えをして、天の気と地の気をつなぐのが人間なんですよ。私ってのは大地からエネルギーをもらって天からエネルギーをもらって、それで生きてるっていうのかなあ、そういう感じがしたんです。田植えは儀式ですね、もちろんお米を作るっていう目的がちゃんとあるんだけども。すごく精神的に豊かになるというか、それだけで満足っていうのかなあ。ぜひみなさんに経験してもらいたいんですけど、今は農薬や除草剤をまいて、裸足で入れない田んぼばっかりなんですよね。日本で今裸足で入れる田んぼっていうのは、無農薬でしかも手植えでやっているというのは、ごくわずか。
パーマと毛染めを止めた美容師さん
私たちの家には水道が来てないので、山の湧き水をパイプでつないで暮らしてます。私たちの捨てた水で田んぼの作物が育つんです。となるとどうするか、つまり、分解しないものは一切使わないで暮らす。掃除も洗濯も化粧も、洗髪も体を洗うのも、化学物質と名のつくものは一切使わないで10年になります。
そういうことを教えてくれた牧野裕子さんという京都の美容師さんがいるんです。彼女は何十年もお客さんの髪を洗っていて、抜け毛や白髪の原因を突き止めたら、結局、化学物質だったんですね。分解しないものが頭や皮膚に残って、しみや白髪やいろんな問題など髪を不健康にしているということがわかって、彼女はついに酢でのシャンプーとカットとヘナだけにしたんです。美容院ですよ、パーマを止め、毛染めを止めて。ビジネスはどうなったと思います?本当に繁盛しているんです。彼女の書いた『楽して得して楽しく暮らそう』を実践すると、まずあなたがきれいになります。肌や髪が蘇ります。それだけじゃなくて、バンクーバーの水がきれいになるんですよ。地球がきれいになるんです。
地球という生態系そのものは閉じていて、宇宙にごみ捨てたりとかできないんですね。私たちが出した工場の排水、排気ガス、使った化学物質など、あらゆるものはどこで出そうと、全部地球をぐるぐる回って、食物連鎖で濃縮されて、私たちの口に戻ってくるんですね。そういうものがどんどん増えていく地球で私たちは生きているわけです。そういう意味ではかなり深刻ではあるんだけども、あなたや私が暮らし方を気をつけていくと、その分だけ地球は蘇っていくと思っています。
(取材 西澤律子)
| きくちゆみさんプロフィール |
グローバルピースキャンペーンの呼びかけ人として世界平和と環境保護をテーマに各地で講演する一方、千葉県鴨川の築200年の自宅をハーモニクスライフセンターとして運営する。夫である森田玄氏と共に自給的な生活を基盤に、自然療法セミナー、自然食ワークショップを開催。「子供たちに安心して住める地球を手渡すこと」が、人としてそして母としての責任と、まずは地球の一部分である自分自身を大切にすることから始め、それが地球全体を癒す事につながるという生き方を実践している。 |