SPECIAL 2008
2008年1月17日 第3号 掲載
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カナダでペットを飼っていて、日本に永久的に帰国する場合は、一緒に連れて帰りたいと思う人が多いのではないだろうか? 今回は少々面倒な、カナダから犬や猫を日本に持ち込む際の手続きについて紹介しよう。
狂犬病ウィルスが日本に上陸するのを食い止めるため、2004年11月に検疫制度が改正されている。
まず残念ながら、カナダは狂犬病の発生がないとは日本政府に認められていない。そのため、犬や猫の係留期間を最も短い12時間以内にするためには、一定の条件を充たしている必要がある。条件を充たしていないと、動物検疫所の係留施設において必要な期間(180日以内)の係留検査を受けることになっている。
180日といえば6カ月、長い。その間、動物検疫所以外の場所での係留検査は認められていない。また、検査の結果によっては、返送や処分の可能性もある。せっかく連れて帰った大切なペット。無事引き取るためにもしっかりと準備しよう。
まず、カナダから犬や猫を連れて帰る(「輸入する」)場合、必要なのは以下となる。
・輸出国(カナダ)でマイクロチップによる個体(犬、猫)識別
・狂犬病予防注射
・狂犬病の抗体値確認
・輸出国で180日間の待機を行ったことが確認できること
この条件に該当していない場合は待機期間の不足日数をさらに検疫所で待機するか、180日間の係留、検査の結果によっては返送、処分になることもある。
さて、係留期間を最短の12時間以内にするには、以下の条件を満たし、さらに到着予定空港を管轄する動物検疫所に届け出ておく必要がある。カナダでの待機期間が180日必要なので、一般的に日本到着の7カ月以上前から準備する必要があると考えよう。
係留期間を12時間以内までにするための条件
1.輸入前の準備
犬や猫を輸入しようとする人(「輸入者」と呼ばれる)は、まず日本の推奨する証明書様式(Form A、Form C)を http://www.maff-aqs.go.jpで入手しよう。これは日本到着時に動物検疫所に提出するもの。その作成には以下の手続きが必要である。
(1)マイクロチップによる個体識別
個体識別というのは、チップ装着だ。国際標準化機構(ISO)11784 および11785 に適合するマイクロチップをつける。カナダで利用している獣医や動物病院に、海外に連れて行くと説明して依頼すると通常、わかってもらえる。
マイクロチップは、狂犬病予防注射、狂犬病ウィルスに対する血清中和抗体価の検査のための採血、出国前の臨床検査時に利用する大切なものだ。これができていないと、せっかく、注射や検査をしても、確認ができないということになる。
すでに入っているマイクロチップや装着したマイクロチップがISO11784 および11785 規格以外の場合は、自分で適合する読み取り機を用意し、マイクロチップ番号を確認する必要がある。なお、一部のISO 規格以外のマイクロチップについては、動物検疫において読み取り可能な場合もあるので、事前に到着予定港の動物検疫所に問い合わせよう。読み取れないので、ペットを引き取れず、180 日間の係留検査となってしまわないために、できれば規定のチップを装着してもらおう。
マイクロチップ番号を含め、いずれの方法でも輸出国政府機関の証明書との照合ができない犬は、輸出国政府機関の証明書がないものとして返送される。
(2)狂犬病予防注射(犬または猫)
マイクロチップ装着後、狂犬病予防注射を2回以上接種する。認められているのは国際獣疫事務局(Office International des Epizooties :OIE。パリに本拠があるのでフランス語。英語では、World Organisation for Animal Health)の基準を充たした不活化ワクチンのみ。マイクロチップ装着前の接種や不活化ワクチン、生ワクチン、遺伝子組換えワクチンは不可だ。
予防注射を受ける犬または猫は、生後91日目以上(生まれた日を0日目とする)でなければなければならない。また、2回目以降の予防注射は、1回目の接種日から30日以上(接種日を0日とする)経過していて、1回目の予防注射の有効免疫期間内に行う。日本到着日までに有効免疫期間が過ぎる場合は、必ず予防注射を追加接種しよう。
(3)狂犬病ウィルスに対する血清中和抗体価の検査 (犬または猫)
採血時期:マイクロチップ挿入後に2 回以上狂犬病予防注射を接種した後(2回目の接種日も含む)で、最後に接種した予防注射の有効免疫期間内だ。
その後、農林水産大臣指定の検査施設に血液を送るなどの手続きがあるが、専門的な処理が必要なので獣医に頼もう。
(4)入国前の待機 (犬または猫)
その後、採血日から180日間以上経過(採血日を0日とする)して、かつ2年以内に犬または猫が日本に到着する必要がある。
180日間というのは狂犬病の潜伏期間だ。採血日から180日間以上経過しないうちに日本に到着した場合、不足する日数を動物検疫所の係留施設で係留される。
(5)出国前の臨床検査
実はこれは(8)の証明書獲得の後のことだが、出国前(できる限り出発前2日以内)に、狂犬病(犬は、狂犬病とレプトスピラ症)にかかっていない、またはかかっている疑いがないかどうか、獣医師による臨床検査を受ける必要がある。
(6)事前届出書の提出
犬や猫を乗せた航空機が日本に到着する日の40 日前までに、到着予定空港を管轄する動物検疫所に「届出書」(犬は「狂犬病予防法及び家畜伝染病予防法に基づく犬の輸入に関する届出書」、その他は「狂犬病予防法に基づく動物の輸入に関する届出書」 (http://www.maff-aqs.go.jpでダウンロード)をファックスまたは郵送にて提出。
係留検査の予定について、動物検疫所が輸入者に問い合わせることがある。届出書には、連絡先(電話番号、ファクス番号、メールアドレス)を明記のこと。
(7)届出受理書
届出書が受け付けられると、動物検疫所から輸入者に対し、「動物の輸入に関する届出受理書」が交付される。受理書はファックス、メールまたは郵送にて届出者に送付される。届出者以外への送付を希望する場合は届出書提出時に知らせておこう。
日本での検査申請時に、受理書に付される受理番号が必ず必要だ。また、ペットを飛行機に乗せる時に、受理書を航空会社に提示しなければならない。
(8)証明書の取得
ここまで手続きをすませて、やっと日本到着時に動物検疫所に提出する証明書を完成することができる。証明書が処置を行った民間の獣医により署名されている場合、輸出国政府機関の裏書き(公的機関の獣医のサインと公印、所属機関名、サインした日付)が必要なのでお忘れなく。
そして、マイクロチップ装着などの処置を行った獣医師に、必要事項を記載してもらい、最後に輸出国政府機関の裏書きを取得する。裏書はCanadian Food Inspection AgencyのAnimal Health OfficeのExport Officerが行う。
◎バンクーバー・リッチモンド
4831 Miller Road, Floor2, Room201 Richmond
Tel: 604-666-7042
Fax: 604-666-6027
◎バーナビー
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Tel: 604-666-2891
Fax: 604-666-8577
◎サレー
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Tel: 604-541-3364
Fax: 604-541-3375
2.輸入検疫
(1)到着時の検査
ペットが日本に到着したら速やかに、到着空港管轄の動物検疫所に輸入検査申請書を提出し、輸入検疫を受ける。この際、輸出国政府機関の証明書、指定検査施設が発行した検査通知書およびその他の必要書類を提出。
通常、2時間ぐらいで済むそうだが、個体識別や証明内容に不備があると、係留検査になる。検査費用は検疫所が負担するが、輸送、飼養、最悪の返送、処分になった場合の費用は、輸入者負担だ。
このように複雑な手続きが必要なので、早目に用意しよう。そのほか、輸送時に推奨(強制ではない)する方法なども検疫所のサイトで紹介されている。
動物検疫所
www.maff-aqs.go.jp
主な空港の検疫所
・成田支所検疫第1課
0476-32-6664
成田市三里塚御料牧場1-1 第1旅客ターミナルビル
・中部空港支所
0569-38-8577
愛知県常滑市セントレア1丁目1番地 CIQ棟
・関西空港支所
072-455-1956
大阪府泉南郡田尻町泉州空港中1番地 CIQ合同庁舎
(取材 西川桂子)