私たちがホテルを出発したのは6時半。朝日を眺めながら、頂上付近で朝食を楽しもうという計画でした。ワイキキから市バスでもアクセスできますが、停留場は登山口のだいぶ手前にあるので要注意。ちょっと料金は高いですが、日本人のガイド付きのツアーに参加するのも手です。
噴火口の北側に作られたトンネルを抜け、火口底を横切るようにして登山口に着きました。ぐるりと周辺を見回すと、太古の噴火の様子が想像できるような切り立った岩壁が輪を描いて続いています。登山口からしばらくはゆるやかなコンクリートの歩道が続くので、周辺の木々や野鳥などを眺める余裕もありました。しかし、何度も何度も折れ曲がる山道にかかったころから、一緒に歩いている人の声が聞こえなくなりました。みんなうつむきがちに黙々と歩いているのです。ところが、もう頂上から降りてくる人がいます。日の出を見ようと登った人でしょうか?英語でも、日本語でも、「おはよう」という声をかけてくれますが、こちらはハアハア言うばかりで、ちょっと笑顔を見せるのがせいぜい。そんなとき、習ったばかりの「アロハ」の指サインはありがたい。手を上げてサインを作り笑顔(少々ゆがみがちだったかもしれませんが…)を見せればOKです。相手も「アロハ」と声をかけてくれました。
人一人通るのがやっとの不気味な(?)トンネル |
やがて、ちょうど中腹あたりに、かなり傾斜のきつい階段が見えてきました。このコースを歩いたことがある知人から、「いやぁ、あの階段はきつい。階段の途中で座り込んでいる人もいたからなぁ」と聞いていたので、少々不安。しかし、その直前に『励ましのごほうび』が待っていました。ココヘッドの方向が見渡せる展望台です。空は雨雲に覆われて、ほんの少し海面が金色に光っているだけでしたが、「わぁ!」と思わず声が出てしまうほどの美しさ。弾んでいた息がゆっくりと整っていくまで、しばらく海を眺めていました。
そしていよいよ階段。前日の雨で滑りやすくなっているので、足元を見ながら、一段、一段上がっていきます。76段の階段をようやく登り終えると、その上にはトンネルが待っていました。狭いトンネルなので、かなり圧迫感があります。閉所恐怖症気味の人には少々つらいかもしれません。その上、トンネルを抜けるとまた急勾配の階段が待ち受けていたのです!「座り込みたい…」とまでは思いませんでしたが、正直かなりきつい。短距離のハイキングとあなどれないものがありました。十分な水は必携でしょう。
登山口は火山の火口底 |
しかし、旧軍事施設の螺旋階段を登りきると、目の前に真っ青な空とあふれるような光が広がっていました。ようやく頂上に出たのです。ツルツルとすべる金属製の階段をあがり、頂上の展望エリアへ。目の前には雄大な太平洋。右手にはワイキキの浜辺とダウンタウンの白い高層ビル群、左手には深い緑に覆われた山並み、そして目の下にはクラシカルな美しい灯台が見えました。それまでの苦労(?)が一挙に報われた瞬間です。海から強い風が吹いてくるのがなんとも心地良い。歩いている途中では、正直「まだ続くのか?!」と思いましたが、頂上にたどりついてみれば、実際に歩いたのは1時間足らず。こんな短時間で、これほど深い達成感を感じられるハイキングルートはあまりないのではないかと思いました。
残念なのは、頂上付近にはそれほど広いスペースがないので、のんびりと座って休憩する場所がないことです。私たちも、山の中腹まで降りてからお待ちかねの『スパムおにぎり』を味わうことにしました。これは、日系人の人が発明した(?!)といわれるハワイの名物。カナダのスーパーでもよく見かける、スパムという缶詰のハムを薄切りにして握り飯の上に乗せ、ノリでまいたもの。ご飯とスパムは一見ミスマッチですが、塩分の強い肉のうまみがごはんにピッタリ。少し疲れたときにはなおさらおいしいのです。
これがハワイ名物のスパムおにぎり |
|