SPECIAL 2007

2007年11月22日 第47号 掲載


志々目真理子さん講演会
Recipe for a Happy You


ときには図や絵を描いて説明する志々目さん

 9月22日、日系ヘリテージセンターで、セラピスト志々目真理子さんの講演会「Recipe for a Happy You」が行われました。日本各地で行われている志々目さんの講演は、ボランティアによって運営されており、今回も過去に講演を聞き「是非もっとたくさんの人に聞いてもらいたい」と集ったボランティアによって実現されたものです。
 

講演のはじめに

 「今、家庭がとても楽しい、笑いがあるという方は手を上げてみてください」と冒頭、会場に質問を投げかけた志々目さん。手を力強く上げた人もいましたが、残念ながら少数派でした。そんな会場に向けて「今、ご主人を大切にしていると、また奥様を大切にしていると思われる方、相手がどう思っているかは別として手を上げてください」と投げかけると笑いがおこりました。ご夫婦で来られている方の中には、お互い相手を見て手を上げている人もいました。志々目さんは「なぜこのような質問をするのか話しますと、家庭に笑い声があるところは、みなさんの愛に囲まれているのでトラブルが少ないのです。人の想いというのは周りの人に影響を与えます。明るい考えの人と一緒にいると楽しくて時間が短く感じますが、愚痴の多い人と一緒にいると時間が長く感じられ周りの人の気持ちまで暗くなってしまいます。それは明るい人は白い光のエネルギーを、憎しみなど許せない思いの強い人は黒いエネルギーを、身体から発しているからです。人の思いは言葉に出さなくてもエネルギーとして発せられているのです」と話され、志々目さんがとても恥ずかしい思いをした体験談を話してくれました。

障害者の方に気づかせていただいた宝

 京都の講演会のときに少し時間があり、会場の1階のカフェに入られたそうですが、そこは障害者の方たちが働かれているお店で、コーヒーを注文したときに持ってきてくださった方がコーヒーを半分くらい溢してしまわれたそうです。その方は言葉に詰まりながら「取り替えます」と言われたのですが、志々目さんは思わず「いいですよ」と答えてしまったとのことでした。「この方も一生懸命されているのにティッシュで拭けばよいのだから」と思っている自分の気持ちに驚いたそうです。心のどこかに「障害を持たれているんだから」と上から見ていたことに気づき恥ずかしくなったそうです。それに対しその方は片言の言葉で「すぐに取り換えますから」と新しいコーヒーに換えてくださったそうですが、そのとき、その方は志々目さんに対して、傷ついたとか許せないという裁くエネルギーをまったく発しなかったとのことでした。その純粋な心に、志々目さんは今から自分は講演をしてもよいのだろうかと自己嫌悪に陥ってしまったそうです。

 でも「完全ではないから講演を通して私が学ばせていただいていることに気づき、それを正直にお話すればよいのだと思い、そのとき講演の最初にお話させていただきました」と話され、「私は失敗ばかりで、みなさんからたくさん学ばせていただいています。人は誰にも嫌な体験がありますが、大切なのはその起きた出来事に対していつまでも後悔するのではなく、その出来事がなぜ起こったのかを探り、その体験から何を学んだかが大切なのです。そしてその起きた出来事に感謝ができると悩まなくなりますよ」と話していました。

「夫婦仲が中々上手くいかないのですが」という質問に対して

志々目さん あなたは一本線の通ったきちんとした家庭で育てられました。一方ご主人は廊下に物が置いてある、階段には本などが置いてあるような、のんびりした農家で育っているため、環境の違いがストレスとなっています。

質問者の方 (透かさず)主人は農家で育っています。

志々目さん 私たちはトラブルが起きたとき、まず自分の視点で物事を判断して、相手の立場に立って考えてないことが多いのです。例えば丸いコップを上から見れば丸く見えますが、横から見れば四角く見えます。同じコップを見ているのに、見る視点が変わると形が違って見えるからです。自分の視点から物事を見ると、視点の違いに気づくことができないので、自分が絶対正しいと思い込んでしまいます。それを一人の人が「絶対に丸かった」と主張すれば、別の人は「絶対に四角だった」と主張するでしょう。それがトラブルとなるのです。そんなとき自分の意見を少し引いて、相手の意見を聞いてみると、コップの全体像が見えてきます。認めると言う字は「言うことを忍ぶ」と書きますように、全てにおいて一方が我慢するのではなく、どちらも認め責任を転嫁しないということなのです。認めることは意見を合わせることでも同調することでもなく、相手の意見や存在を認めるということなのです。特に夫婦の問題はお互い育った環境が違うため、足りないところに視点がいき自分の要求だけを押し付けてしまいます。でも相手にとっても同じ気持ちなのです。自分の要求だけ押し付けるのではなく相手が何を求めているのか?今自分が何をしてあげられるかを考えることができるとトラブルは少なくなります。

「子供さんが相手の目を見て話すことができないという」質問に対して

志々目さん 小さい時からお母さんが全てにおいて「あれをしなさい、これをしなさい」と指示を与え、いつも上から言葉を発せられていると、自分で物事を考え判断することができなくなり自分の意見が言えなくなるのです。自信がなくなり胸を張って相手の目を見て話せないのが原因ですので、お母さんの接し方が変われば自身を持って話せるようになります。そのためには子供さんに「どうしたいのか、何をやりたいのか」を聞いて、自分の気持ちをはっきり言えるタイミングを作ってあげなければなりません。その努力をご家族がされれば、相手の目を見て意見を言うことも聞くこともできるようになられます。心配はいりません。

「日本にいる兄弟との仲が悪くなって」との質問

質問者の方 日本にいる兄弟から、海外にいるので親の看病やお葬式を手伝ってくれないと苦情を言われるのですが、許してあげればよいのですね。

志々目さん 許すのではなく感謝してください。長く看病することは端からみるほど簡単なものではありません。看病している人の方が疲れてうつ病になられ、自殺されることもあるのです。日頃から「自分は遠くにいてなかなか帰れないけれど」とお見舞いでも添えてお便りを送られていると、相手も解っていることですからトラブルにはならないものです。当たり前のことに感謝を忘れていたから苦情を言われたのだと思います。気づかせてもらえたことに感謝してくださると、ご兄弟も理解してくださると思います。このような悩みは質問された方だけの問題ではなく、誰にでも起こりえることですから、他の方も聞かれてよかったのではないでしょうか? 質問してくださった方に感謝いたします。

 日々の生活に追われて、見逃してしまっている大切なことに気付かせていただいた今回の講演。学び成長する機会はすぐそこにあるのだけれど、それを意識してつかみ取り、学び成長しているかと聞かれると、正直うなずくことができません。講演中は志々目さんのユーモアあふれるお話とパワーもあって、自分にもできそうな気がしましたが、私にとって実際にそれを行うのは決して簡単なことではないと後から気付きました。自分で「これで十分」と思っていても実はまだまだ足りていないことや、自分では恨んでいないつもりでも、心のどこかで納得しきれておらずわだかまりがあり、感謝できていないことなど、気付けていても完全に学べていないことの何と多いことか。しかもまだ気付けていないこともたくさんありそうです。確かに学びを困難に感じることもありますが、その困難をどうやって乗り越えればよいのか、そのヒントを今回の講演で分けていただきました。ありがとうございました。

(取材 青木美子、志々目真理子さん)

志々目真理子さんホームページ:
http://www.shishime.net/
カナダ事務局連絡先:yukaria@telus.net
志々目さんの本購入についても上記にお問い合わせください。

 

 

 

 

志々目真理子さん
1953年生まれ、宮崎県在住。手術室などで看護業務に携わり現在セラピストとして活躍中。各県の教育委員会をはじめ、数多くの団体から後援を受け、日本各地で講演を行う。海外でも講演を行い、今回バンクーバーの後にシアトルでも講演を行った。12月には山形県で1500人規模の講演会を予定。同時に世界の恵まれない子供たちのためにも活動を続ける。


志々目さんの著書『地球にまいおりた天使さん』(左)と『家庭に笑い声が聞こえますか』(右)