SPECIAL 2007

2007年5月24日 第21号 掲載


隣組事務局長
熊谷ジョージさん


隣組事務局長の熊谷ジョージさん


(左上から)プログラム&ボランティアコーディネーターの菅原さゆりさん、熊谷ジョージさん、(左下から)受付・事務の高島順子さん、コミュニティーサービスワーカーのサボ昌子さん


毎月恒例の「食いしん坊会」 (写真提供 隣組)


みんなで楽しく集う麻雀の日 (写真提供 隣組)


日本文化を再発見 書道クラス  (写真提供 隣組)

 2007年春、日系非営利団体「隣組」の事務局長に熊谷ジョージさんが就任した。イーストブロードウェイ沿いにある隣組を訪ね、熊谷さんに隣組の取り組み、隣組のこれから、そして自身について話を伺った。

 青の看板が目印の隣組の建物に入ると、受付スタッフが笑顔で迎えてくれる。地元情報誌やパンフレットが置かれている入り口の横にはソファと大きなテーブル。暖かい雰囲気のその空間はアットホームな印象。奥に進むと、広間では体操が行われており、その横のキッチンではボランティアの人々が昼食を作っていた。入り口付近の階段を上り、熊谷さんのオフィスのある2階に入ると、にぎやかな階下と違いひっそりとしていた。ここもアクティビティに使用される日は利用者で賑わうのだそうだ。

隣組はどのような活動を行っている団体ですか?
 隣組はバンクーバーの日系コミュニティーに、幅広いサービスを提供する非営利団体です。一言で隣組の活動を説明するのは難しいですね。シニア向けのサービスが中心ですが、そのほかのコミュニティーのニーズを考慮したサービスも必要なことを理解した上で活動しています。送迎サービス、通訳・翻訳、カウンセリングなども提供しています。

 隣組では月曜日から金曜日まで毎日アクティビティを行っています。卓球や手芸などシニア向けのプログラム、また書道や麻雀のようにさまざまな年齢の利用者が参加するもの、そして小さな子供向けのものがあります。さらに、野外を歩いたり、皆で一緒に料理を楽しむ「食いしん坊会」も定期的に設けています。毎週月曜日と金曜日に催される「ランチプログラム」や高齢の利用者の自宅に昼食を配達する「ミールズ・オン・ウィールズ」など、日系シニアのためのサービスも提供しています。

 ボランティア活動も盛んで、シニアだけでなくワーキングホリデーや学生としてバンクーバーに一時滞在している人々や、最近移住してきた人達もたくさん参加しています。ボランティアの方々には、アクティビティプログラムから、バザーやパウエル祭まで、さまざまな場面で活躍していただいています。

熊谷さんは、これからどのように隣組に関わっていくのですか?
 隣組の特徴は、組織が小規模なので、利用者のニーズに対して細やかなサービスを提供できる点です。ですから、これからも利用者が何を求めているのかを敏感に感じ取り、現在あるサービスをさらに良くすることが、スタッフの務めだと考えています。

 一概にシニアと言っても、80代90代の一世と新移民とでは全く違います。年齢の違いもありますが、最近移住してきた方々は日常生活には支障のない英語力を持っています。以前の移住者の場合は必ずしもそうではなかったので、通訳・翻訳のサービスを提供していましたが、これからはあまり必要ないかもしれません。また、シニア以外の若い世代のためのプログラムも重要だと思っています。

 それに日系コミュニティーだけに焦点を当てるのではなく、地元バンクーバーのコミュニティーとの交流も行っていきたいです。例えば、先日フランス語を学んでいる小学生の子供たちが隣組を訪れ、書道を体験しました。ここ数年バンクーバーのシニアホームの方々が隣組を訪問したり、こちらからホームを訪ねたりする交流も行っています。

熊谷さんのこれまでの経歴を教えてください。
 私はポートムーディで育った日系二世で、3人兄姉の末っ子です。両親によると、初めてしゃべった言葉は日本語だったけれど、ある日突然英語に切り替わったそうです。高校卒業後はサイモンフレーザー大学に進学しました。環境問題にた大変興味があったので、エコロジーを専攻しました。食肉が環境におよぼす影響や動物の扱いに対する倫理的疑問から、 年以上菜食主義を通しています。肉や魚だけでなく、卵や乳製品も食べません。

 ボランティア活動は、学生時代から病院、野生動物や環境の教育に関する取り組みを行っている団体、そして英語講師として隣組でも手伝っていました。

 大学卒業後は研究の道に進もうかと思っていましたが、もっと直接人々の考えや生活に影響を与えたくて、教師になることを考えました。そして、英語圏から日本の市町村に教師や職員を派遣するJETプログラムで2年間青森県で暮らしました。

熊谷ジョージさん

 日本では、英語教師としての経験を積みながら、以前から望んでいたカナダ以外の文化に触れる生活を体験できました。カナダに戻ってきてからも英語や数学を教えていましたが、昨年隣組スタッフにアドミニストレーターとして加わりました。備品の調達から助成金の申請書の準備などに携わっておりました。事務局長に就任した現在は、そのほかに日々の活動を担うスタッフと長期的な運営の計画を担う理事会役員とのコミュニケーションにも関わっています。
 
 毎日自宅から隣組事務所まで自転車で通勤しているという熊谷さん。非常にアクティブで、ホッケーやサッカーのチームに所属しているほか、長距離を走る訓練も続けている。最近では隣組チームとしてサン・ラン、そしてバンクーバーマラソンに出場。若き事務局長にエールを送りたい。


(取材 船橋敬子)


隣組
Japanese-Canadian Volunteer Association


青い看板が目印の隣組

所在地: 511 East Broadway (& St. George) Vancouver, BC V5T 1X4
電話: 604-687-2172
FAX: 604-687-2168
メール: jcva_info@bellnet.ca
ホームページ: http://www.jcva.bc.ca/